キャンプ道具選びで重視するポイントは、その人のキャンプスタイルごとに異なります。
軽さや小ささといった携帯性で選ぶ人もいれば、頑丈で長く使える「一生モノ」が好きな人、品質度外視でとにかく安さを追求する人などなど、様々ですよね。
先日、キャンプ歴10年以上のベテランキャンパーのやまとに「2020年上半期に買ってよかったキャンプ道具」をベスト10方式で発表してもらいました。

そこで今回は、キャンプ歴約1年ほどの僕が、やまととはまた違った視点で選んだベスト10を紹介します!
それぞれのこだわりの違いなどにも注目しながら、どんな商品がどんな理由で選ばれたのかを見てみてください。
もくじ
第10位 trangia ストームクッカーS ウルトラライト
第10位は、メスティンで有名なtrangia(トランギア)のクッカーセット『ストームクッカーS ウルトラライト』です。
クッカーや五徳、持ち手などなど、セット一式をまとめて収納できるうえ、同メーカーのケトルも中に入れられるスタッキング性能の高さが魅力です。
セット内容は以下の通り。
- フライパン18cm
- ソースパン1L×2
- アルコールバーナー(アルコールストーブ)
- ハンドル
- 風防(五徳一体型)
- スタンドベース
フライパンが1つとソースパン(小鍋)が2つ付属しているため、このセットがあれば1~2人分の料理などは一通り作れてしまいます。
さらには「ストーム」という名の通り、風があっても調理がしやすい構造となっていて、アルコールストーブの火はもちろん、クッカーそのものも風から守れる構造となっています。
風が強い屋外ですと料理やお水を温めるのも一苦労ですが、ストームクッカーがあれば冷たい風が吹き荒れる中でも関係なく料理ができます。
僕も愛用している専用ケースや、湯切り・まな板として使えるマルチディスクなど、オプションの充実っぷりも魅力な商品です。
第9位 ウッドストーブ 二次燃焼
第9位は、二次燃焼ストーブです。
焚き火をすると出てくる煙は、実は可燃性のあるガスなのです。
その可燃ガスが燃え切らない時に煙となってモクモク出てくるのですが、二次燃焼ストーブとは、その可燃ガスも燃やすことで、煙が出にくいうえに火力も高くなるという特徴を持ったストーブです。
二次燃焼ストーブの有名どころとしてはソロストーブ社の商品がありますが、品質が高いために価格も少々お高め…。
そこで「二次燃焼ストーブを試しに使ってみたい!」という人におすすめなのが、中華メーカー製の安価な二次燃焼ストーブ(ウッドストーブ)です。
僕が購入したSignstekのストーブはお値段2,000円程度で、そのうえコンパクトに収納できるため、気軽に持ち歩いて使えます。
そのうえ、意外としっかりとした作りになっていますし、火力も申し分なしです。
拾った枝だけでも勢いよく燃え、直火対応なクッカーやスキレットがあれば1~2人分の料理も作れます。
そんなコスパ優秀な二次燃焼ストーブですが、空気が抜けるよう底面に穴が開いているため、燃えカスや枝が下に落ちてしまったり、たとえ落ちなくても地面への熱が大きいという問題があります。
そのため、熱に強いメッシュテーブルの上に置いたり、その下にスパッタシートを敷くなどして、地面を守る対策をしてあげましょう。
ちなみにソロストーブ社の二次燃焼ストーブの場合は、下に受け皿が用意されている等、「さすが本家!」と言いたくなる工夫がされています。
そうは言っても、格安品でも他の道具との組み合わせで問題無く使用できますので、二次燃焼ストーブデビューをしたい方は1度手に取ってみてはいかがでしょうか。
また、二次燃焼ストーブはDIY感覚で自作することもできます。
作り方は動画で紹介していますので、興味のある方はぜひ試してみてください!
第8位 アウベルクラフト:焙煎キット
僕のキャンプの楽しみの1つは、自然の中で美味しいコーヒーを飲むことです。
キャンプではインスタントコーヒーですらめちゃくちゃ美味しく感じるのですが、キャンプ経験を重ねていくうちに、コーヒーにもこだわりたいと思うようになっていきました。
そんな僕が選ぶ第8位は、アウベルクラフト社のロースター…コーヒーの焙煎機です。
僕が購入した遠赤コーヒー焙煎キットには、お試しの生豆が3種類入っていて、このキットとコンロやガスバーナーがあれば、すぐにでもコーヒー豆の焙煎を始められます。
お店で焙煎された豆を買ってきて、それをミルで挽いて飲んだりもしていたのですが、自分で煎れば焙煎具合も調整できるため、好みの味を自由に出せるのではないかと考えたことが購入の決め手でした。
また、焚き火などで豆を焙煎する道具もアウトドアメーカーから販売されてはいるのですが、初心者ですとムラなく仕上げるのがとても難しいのだとか…。
失敗しながら試行錯誤していくのも楽しそうではあるものの、僕が焙煎機に興味を持ったのは「美味しいコーヒーを追求したい」という想いでしたので、初心者でも失敗無くできる焙煎キットを選びました。
アウベルクラフトの焙煎キットは、中に豆を入れて、火にかけながらくるくると回すだけで、全体をまんべんなく焙煎できるため、初心者でも美味しいコーヒーを作れるというのが魅力です。
くるくる回している時の「無心になる感じ」は、薪割りやフェザースティック作りに通じるところがあり、手間を楽しめるキャンプにはもってこいのアイテムだと思っています!
欠点としては、ガスコンロが必要なため、キャンプ地で行うなら荷物が増えてしまうことが挙げられます。
加えて、風や温度の影響で焙煎具合も変化するので、屋外で行う場合はキットを使っても難易度が上がります。
家で焙煎した豆を持っていくという方法もありますが、焙煎時に大量のチャフ(生豆の表面についている薄皮)が飛び散りますので、室内だと掃除も必要になります。
こういった手間はかかるものの、焙煎したての豆で淹れるコーヒーはひと味もふた味も違うので、コーヒー好きな方には1度挑戦してみていただきたいです!
参考 遠赤コーヒー焙煎キットアウベルクラフト第7位 BIALETTI 直火式 モカエキスプレス
第7位は同じコーヒー繋がりで、ビアレッティのエスプレッソメーカーであるモカエキスプレスがランクインです。
沸騰した水の蒸気でコーヒーを抽出する仕組みで、パーツ構成は3つのみと非常にシンプル。
淹れ方も簡単で、まずは下部パーツ内側の線まで水を注ぎます。
続いて、エスプレッソ用に細かく挽いた豆をバスケットにすり切りで入れます。
各パーツを繋げたらコンロにセットし、あとは弱火にかけるだけです。
すると、中の筒を蒸気が通って、美味しいエスプレッソが抽出されていきます。
こういった仕組みのエスプレッソメーカーをマキネッタと呼び、イタリアの家庭だと必ず置いてあるくらいにポピュラーとのこと。
電動のエスプレッソマシンですと数万円なんて価格もザラですが、マキネッタは数千円程度で購入できるため、お家で美味しいエスプレッソを気軽に飲みたい人にぴったりです。
普段仲良くしていただいているたかじょー(@takajozland)さんがコーヒーに詳しく、おすすめの豆を聞いた時に、ちょうどこのマキネッタの話をしてくれて、速攻で購入しました!
ビアレッティのモカエキスプレスは、サイズのバリエーションが豊富なことも魅力の1つで、1カップ分のみを抽出できる小型のものから、最大なんと18カップ分をまとめて出せる大きなものまであります。
1回で何杯分のエスプレッソを出したいのか、家族や友人の数に合わせて選べるのが嬉しいですね。
小さめサイズの場合、家庭用コンロの五徳を通り抜けてしまうこともあります。
そんな時には、別売りの「ガスバーナープレート」と呼ばれるスタンドを間に入れることによって対応できます。
また、サイズ選びの際ですが「大は小を兼ねる」という考えで大きめを選んでしまうと後悔することも…。
と言いますのも、バスケットに入れるコーヒーの粉の量は必ず「すり切り」でいっぱいまで入れる必要があります。
そのため大きめのサイズを買ってしまうと、豆を毎回大量に挽かないといけなくなってしまうのです。
1度にどのくらいの量を飲むのかをイメージしてから、最適なサイズを選んであげましょう。
第6位 CAPTAIN STAG アルミ ロールテーブル
第6位は、もはやキャンパーなら誰もが1個は持っているのではないかと思うくらいの定番アイテム、CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ)のアルミロールテーブルです!
収納袋付きでコンパクトに折り畳むことができて、そのうえアルミ製なのでとにかく軽く、バッグの隙間にもスッと入れられる携帯性の高さが魅力の定番ギアです。
僕は最近、椅子を使わずにマットを地面に直接敷いて座るロースタイルなキャンプをすることが多いのですが、その時にちょうど良い高さのテーブルとなります。
見た目についても、光沢の無い落ち着いた質感のため、キャンプサイトに置いていても主張しすぎず、雰囲気を壊すことがありません。
耐久性も高く、僕はアツアツのスキレットなども直接置いてしまっています。
コンパクトと言ってもクッカー2つとカップ1つ程度は載せられるため、アルミロールテーブル1つあれば、1人で行くソロキャンプならばメインのテーブルとしても充分に使えます。
そのほか、地面に直接置きたくない物用のスタンドとして使う時にも役立ちます。
雨でぬかるんだ地面だとか、あとは夏場のクーラーボックスなども地面に直接置いてしまうと保冷性能が低下しますので、そんな時にアルミロールテーブルが1つあると、サッと下に置いてあげられて便利です。
第5位 ピコグリル398
第5位は、同じくコンパクトなキャンプギアということで、超軽量・超薄型の焚き火台であるピコグリル 398がランクインしました。
最大の特徴は収納時の大きさで、専用袋に入れてしまえばA4サイズに収まり、重量もなんと500g以下です。
これだけ薄く、軽ければ、バックパックに入れての持ち運びも楽ちんです。
組み立ても簡単で、脚を広げたら折り畳まれているプレートを広げてセットするだけ。
さらにはただ小さいだけでなく、組み立てれば横にも広く使えるため、長い薪もそのまま入れられ、携帯性の高さが焚き火台としての機能面の妨げとなっていないのです。
同じようなサイズ感の焚き火台としてDODの「秘密のグリルちゃん」も持っているのですが、グリルちゃんは「グリル」とある通り焚き火よりも料理向けな焚き火台ですので、薪を高く積んだりするのには不向きな形状となっています。
それに比べると、ピコグリル398は焚き火がしやすく、別売りの専用五徳(スピット)を使えば料理もしやすいです!
欠点を挙げるとすれば価格で、定価で12,800円とややお高めなうえ、その人気の高さから転売されて余計に高額になっていたりも…。
形状だけ似せた模倣品も出回っていますので、購入時は注意が必要です。

第4位 ZANEARTS GIGI-1
第4位は、僕が初めて買ったテント、ZANEARTS(ゼインアーツ)社のGIGI-1です!
もともとはソロ用のテントとしてテンマクデザインのサーカスTCを買おうかと思っていたのですが、やまとが既に持っていて「仲間内で同じテントを買ってもなぁ…」と考えたことに加え、その当時はサーカスTCの転売価格が跳ね上がっていたので、泣く泣く候補から外れました。
そこで、似たようなテントで他に良いモノが無いかと探していた時に見つけたのが、このGIGI-1だったのです。
GIGI-1はサーカスTCと同じく中央にポールを1本立てる方式なのですが、それに加えて両サイドにもミニポールを1本ずつ立てることで、テント内部の居住空間を広く取れる特徴的な形状をしています。
大人2人が快適に過ごせる広さに加え、何と言っても他のテントに無い個性的なフォルムが僕の心に刺さりました!
また、ブラウンカラーの生地はポリエステル素材のため、サイズに対して重量は4.5kgとかなり軽量です。
メインポールとサイドのミニポールだけでも十分広いのですが、タープポールを別で用意しておけば、入り口を跳ね上げて前室のようにも使え、解放感も抜群です!
GIGI-1の弱点としましては、長所と表裏一体でもありますが、複雑な形状のため、ペグダウンする箇所が多いという点が挙げられます。
そしてもう1つはスカートがついていない点で、隙間風がかなり入ってくるため、風が強く気温も低い冬キャンプでは防寒対策をしっかりしておく必要があることです。
あとは軽いと言っても収納時はそれなりのサイズ感となるため、自転車やバイクキャンプをする方など、コンパクトさを重視される人には合わないかもしれません。
GIGI-1は、「おっ!」と周りの目を引く個性的なテントが欲しい方に強くおすすめしたいです!
第3位 trangia 325ケトル 0.6L
ここからはいよいよベスト3、第3位はtrangia(トランギア)のケトルです。
10位で紹介したストームクッカーと同じく「メスティン」で有名なトランギア商品であり、そのトランギアはアルミ製の商品を多く出しています。
このケトルもアルミ製のため軽く、何よりも「同じブランド」で揃えることによる統一感がたまりません!
ストームクッカーにそのままスタッキングできるのも、同メーカー商品で統一することの強みですね。
取っ手の耐熱シリコンを外せば直火で直接温められるなど、そうした使い勝手やスタッキング性の高さから、僕のキャンプでは毎回必ず出番のあるお気に入り商品です。
0.6Lまで入るため、2人分のコーヒーに必要なお湯を1度に沸かせられるという絶妙なサイズ感も、重宝している理由です。
使用上の注意点としては、被膜処理がされていないため、使っていくうちに水と反応することで、水酸化アルミニウムの黒ずみが発生してしまう点が挙げられます。
見た目は汚くなってしまいますが、人体には影響が無いため、気にしない人ならば気にせず使うのもOKです!(面倒なので僕はそのまま使っています笑)
ちなみに、クエン酸を入れてお湯を沸かせば、それだけで見違えるほど綺麗になりますので、常に新品状態を保ちたい方は手順をチェックしてみてください。
第2位 TEOGONIA Fireplace Tongs 炭ばさみ
第2位は、TEOGONIA(テオゴニア)の炭ばさみ、Fireplace Tongがランクインしました!
最初は見た目の格好良さだけで購入しましたが、実際に使ってみて、純粋に炭ばさみとして使いやすいことに気付き、非常に満足度の高い買い物となりました。
特徴としては、とにかく頑丈の一言に尽きます。
太く、しっかりとした鉄の棒は、重い薪でもがっちりとホールドしてくれます。
あとは「キャンプあるある」だと思いますが、地面に放置した炭ばさみをうっかり踏んでしまう、なんてことがありますよね。
そのせいで歪んでしまって、薪を掴みにくくなってしまうことも。
ところが、テオゴニアの炭ばさみは、ちょっと踏んだ程度ではビクともせず、そうしたタフさも安心感に繋がっています。
そのように安心して使い倒せるテオゴニアの炭ばさみですが、レビューなどを見ると「使いにくい」なんて意見もあります。
一般的なトングと異なり、バネや金属のしなりなどにより自動で開くようになっていないことが、そうした低評価の原因として挙げられています。
ただ僕は、ちょっと使っていたらすぐに慣れてしまい、そうした「使いにくい」という感想があまりピンと来ませんでした。
とはいえ、合う合わないは人それぞれあると思いますので、アウトドアショップに足を運んで、実物を手に取って掴み心地を確認してから購入するというのもおすすめです!
第1位 テンマクデザイン ムササビウイング
栄えある第1位は、テンマクデザインの大人気タープ、ムササビウイングが選ばれました!
僕が使っているのは『ムササビウイング13ft.TC“焚き火”バージョン』という、火に強いTC(ポリコットン)素材でできたバージョンです。
タープで一般的なスクエア(四角形)でもヘキサ(六角形)でもない、5つの頂点を持つ独特の形状が特徴で、前から見ても後ろから見ても格好良い見た目が最高です!
ポール1本で立ち上げたロースタイルで使われている写真も多いですが、設営次第で高さも出せますので、2~3人のキャンプでの拠点作りにも使えます。
あとは焚き火バージョンと謳われているように、火に強いポリコットン素材で作られているため、タープの近くで焚き火を楽しめるのも魅力ですね。
ただし、まったく燃えないわけではありませんので、近付けすぎないようには注意しましょう。
最近ではテントを使わずにタープのみでひと晩を過ごすタープ泊をしたり、雨のデイキャンプを過ごしたりと、想像していた以上にあらゆるシチュエーションをムササビウイングのみで十分すぎるほど快適に過ごせています。
吹き込むほどに雨と風が強いと流石にタープのみでは厳しいですが、生地自体もサーカスTCと同じ、少々の水ならはじいてしまう高い撥水性能を持っている点も心強いですね。
サーカスTCについて詳しくは、こちらで解説しています。

タープはテントと比べると収納サイズも小さいですし、設営も慣れれば10分程度で終わるという手軽さも魅力です。
そのためキャンプはもちろん、夏場のBBQなどでちょっとした日陰を作りたい時にも活躍します。
ベタ惚れしている見た目のほか、使い勝手や値段なども含め、はっきり言って不満が無いです!
挙げるとすれば…収納袋がダサいことでしょうか笑
タープ本体はTC素材の落ち着いたブラウンカラーの生地なのに、収納袋はターコイズブルーのような全く合っていない見た目となっています。
といっても、僕はもう見慣れてしまっていて気になっておらず、不満点や欠点を無理矢理ひねり出した結果が「収納袋のデザイン」でした。
それくらいしか思い浮かばないほど、本当に大満足なおすすめタープです!
それと、ロープは入っていますが、ペグとポールは付属していないので、ムササビウイングだけ買っても立てられません。
その点だけ、購入・使用前に確認しておきましょう!
ちなみに僕はブッシュクラフトに最近ハマっているのもあって、落ちている枝を加工してポール代わりに使ったりもしています。
落ち着いた色味のムササビウイングは、木や枝とも自然に調和してくれて、その点も今回文句なしの1位に選ばれた要因となっています!
まとめ
今回は、キャンプを始めて約1年の僕が、コーヒーやブッシュクラフトといった「キャンプから派生した趣味」も最大限楽しめることに着目しながらベスト10を選ばせていただきました。
そういった「自分なりの楽しみ方」が広がっていくことも、キャンプの魅力ですね。
今はブッシュクラフトが個人的にとてもアツいのですが、また1年後にはまったく別の方向へと目覚めているかもしれません笑
「あなた流のキャンプの楽しみ方」があれば、その熱い想いを、コメントやSNSでぜひ教えていただけると嬉しいです!