冬キャンプに向け、これから冬用シュラフ（寝袋）を用意される初心者キャンパーさんも多いのではないでしょうか。
なるべく安く・暖かい寝袋を選びたいですよね。
今回は、20回以上の冬キャンプを経験した私なりの冬用寝袋の選び方についてお話させて頂きます。
もくじ
化繊よりも羽毛の方が暖かいとは限らない
先日Twitterで、「化繊（化学繊維）の寝袋よりも絶対に羽毛（ダウン）寝袋の方が暖かい」という旨のツイートを見て驚きました。
と言うのも、化繊・羽毛のどちらかの方が絶対に暖かいなんてことは無いからです。
例えば、下記の記事で紹介したYOGOTOの冬用寝袋は羽毛寝袋ですが、後に私が購入したDD Hammocksの化繊100%の寝袋の方が断然暖かかったんです。
もっと暖かい寝袋としては、友人が使用しているNANGAの羽毛寝袋があります。
さらに、別の友人が使用している米軍放出品の化繊寝袋はNANGAの羽毛寝袋以上に暖かいのです。
これらの寝袋を暖かさ順に並べると、以下の順番になります。
- 米軍（化繊）
- NANGA（羽毛）
- DD Hammocks（化繊）
- YOGOTO（羽毛）
このように、中身の種類だけでは暖かさを判断できません。
寝袋の暖かさを見分ける2つのポイント
寝袋は2つのポイントから暖かさを見分けることができます。
1.中綿または羽毛の多さ
1つめは、中綿または羽毛の量です。
多ければ多いほど断熱・保温効果が高まります。
しかし、中身の種類や質によって同じサイズでも重さが違うので、重い方が暖かいとは限りません。
特に、羽毛寝袋の場合は高品質になればなるほど羽毛1枚あたりの重量は軽くなるので、中身が同じ場合にのみ重量で暖かさを比べられます。
2.中身の種類と品質
2つめのポイントは、化繊・羽毛それぞれで異なります。
化繊寝袋：マイクロファイバーが使われているか
化繊寝袋は、中身にマイクロファイバーが使われていると暖かいです。
格安の化繊寝袋の多くは中身がポリエステル・シルク様コットンで、その保温性はお世辞にも良いとは言えません。
マイクロファイバーはポリエステル・シルク様コットンよりも多くの空気を保有するので、羽毛と同じように暖かい空気の層を作ります。
また、水に強く、洗濯機で洗うことができる点も特徴です。
DD Hammocksの寝袋が化繊100%なのに安物の羽毛寝袋より暖かいのは、マイクロファイバーを使用していることが理由でした。
羽毛寝袋：高品質の羽毛が使われているか
羽毛寝袋は、羽毛の品質が高いほど暖かいです。
ウリにできるだけの品質なら製品情報やメーカーの公式サイトなどで事細かに説明されています。
そのため、「内容物には羽毛を100%使用」のようにざっくりとしか書かれていないものは品質があまり期待できません。
YOGOTOの羽毛寝袋は製品情報にダウン90%・フェザー10%としか書かれておらず、何処産のどんな羽毛なのか分かりません。
しかし、NANGAは種類・特徴・判断基準（フィルパワー：FP）について公式サイト上で説明したうえで、製品に原産国証明をつけて販売しています。
また、NANGAは同社の羽毛寝袋を修理費用無料で期間を限定せずに修理する永久保証というサービスまであります。
何処の国のどんな羽毛なのかを明記した証明書に加え、取り扱う製品に対する自信がなければできないサービスまであれば間違いなく高品質だと安心できますね。
買うべき寝袋の選び方
寝袋の購入を検討するときは、予算の都合・暖かさだけではなく、自分が想定する用途にあった収納サイズかを確認しましょう。
せっかく買ったのに持っていけないのでは意味がありませんよね。
寝袋が大きすぎると他の物が積めない
登山やバイクキャンプなどの荷物を軽量かつコンパクトに収めなければいけない場合は、羽毛寝袋の方が適しているかもしれません。
はたまた、サイズを気にしないのであれば、羽毛よりも比較的安い化繊寝袋を選んでも良いと思います。
価格・暖かさ・サイズのバランスを考えることで必要な寝袋が導き出せますよ。
コンプレッションバッグを使えば格安シュラフもコンパクトに
シュラフは基本的に、値段が高ければ高いほど、同じ暖かさでも収納サイズが小さくなります。
そのため、徒歩やバイクキャンプなど、荷物をなるべく小さくまとめたい人には高級シュラフが強い味方となるのです。
ただ、そうは言っても5万円以上するような高級シュラフはなかなか買えません…。
そこでおすすめなのが、シュラフをギュッと圧縮して小さく持ち運べるコンプレッションバッグです！
コンプレッションバッグは、大手メーカー品でも2,000円程度で買えるため、数万円の高級シュラフには手が出ない人でも気軽に導入できます。
YOGOTOの大きなシュラフもギュッと細く・小さく収納して持ち運べるので、現在使っている冬用シュラフのサイズに不満のある方は、1度試してみてください。
特殊な用途に合わせた寝袋
特殊な用途に合わせた機能があるという理由で選ぶこともあります。
例えば、私が買ったDD Hammocksの寝袋はハンモック泊のときに使いやすいように様々な工夫が凝らされています。
- 防水のフットボックスが付いていて靴を履いたまま寝袋に入れる
- ジッパーが正面に付いているので、ハンモックに乗ってからジッパーを締めやすい
- 内部にメッシュポケットがあり、携帯などの小物がハンモック内に落ちることを防げる
ハンモック泊の時にいちいちブーツ脱ぐのが面倒だと感じていたので、この製品を見つけた時は迷わず購入しました。
キャンプではまだ数回しか使用していませんが、ゴツいスノーブーツのまま入っても破けることがないので重宝しています。
前述した価格・暖かさ・サイズといった一般的な指標以外にも、自分が求めている機能をもつ製品を探すことも重要です。
最後に
寒さの感じ方や購入にあたって重視するポイントは人それぞれなので、万人に対して絶対に良い寝袋はありません。
しかし、「価格・暖かさ・サイズのバランス」と「求める機能の有無」を検討材料にすれば満足できる寝袋が見つけられます。
自分に合った冬用シュラフを選び、冬キャンプを成功させましょう！
