美味しいご飯や綺麗な景色など、キャンプには様々な魅力があります。
その中でも、僕がキャンプをする理由の8割が詰め込まれていると言っても過言ではないほど楽しみにしているのが焚き火です。
寒い冬では暖を取るのにも役立つ焚き火ですが、眺めて暖まる以外にも、焚き火には楽しみ方がたっぷり詰まっています!
そこで今回は、本格的な焚き火を全身で味わうのに役立つ道具10選と、その楽しみ方をまとめて紹介します。
なお、火や刃物を扱いますので、怪我や火傷にはくれぐれも注意していただけますよう、お願いいたします。
薪
焚き火をするために、まず必要になるのが薪です。
ホームセンターやアウトドアショップでも簡単に手に入りますし、キャンプ場ならば大抵の場合、受付で販売されています。
また、落ちた枝が使える場所であれば、現地で調達するのもOKです。
ここで重要なのが薪の種類で、大きく分けると以下の2種類。
- 針葉樹
- 広葉樹
針葉樹は火がつきやすいのですが、その代わりに早く燃え尽きてしまいます。
また、広葉樹に比べて柔らかく軽いため、アックス(斧)やナイフで細かくしたり、フェザースティックを作りやすいです。
そうした特徴から、針葉樹は最初の焚き付け・火起こし用として使うのがおすすめです。
一方の広葉樹は、なかなか火がつきませんが、ひとたび燃焼が始まると、長時間燃え続けます。
また、針葉樹に比べると硬くて重く、針葉樹はソフトウッド、広葉樹はハードウッドと呼ばれるほど、その硬さに違いがあるのです。
これは広葉樹の内部がギュッと詰まっているためで、空気の入る隙間が狭いため、スカスカな針葉樹に比べると火がつきにくいものの、長く燃えることにつながっています。
このように針葉樹・広葉樹それぞれに特徴があるため、焚き火をする際は針葉樹と広葉樹の両方があると便利です。
火のつきやすい針葉樹だけですと、すぐに燃え尽きるので慌ただしいですし、なにより燃費が悪いです。
逆に、広葉樹だけしか無いと、火をつけるのがとても大変…。
針葉樹で火起こしをして、火力を安定させてから広葉樹も入れていけば長時間楽しめます!
ちなみに僕は、キャンプをしている時はずっと焚き火をしているため、針葉樹を1束と広葉樹を2束買うというのが、キャンプ場でのお決まりの流れです。
薪を購入する際は、針葉樹と広葉樹かどうかを確認して、特徴を理解したうえで選ぶようにしましょう。
焚き火台
地面に薪を直接置く直火(じかび)は、芝へのダメージが大きく、禁止されているキャンプ場も多いです。
直火NGなキャンプ場では、焚き火台が無いと焚き火もBBQも出来なくなってしまうので、必ず用意しておきましょう。
また、ルールで禁止されていなくとも、多くの人が長く楽しめる場所として環境を守るために、焚き火台はとても重要です。
焚き火台と一言で言っても、グループ用から1人用、調理ができるものまで幅広くありますので、自分の用途や目的に合わせて選ぶのがポイントです。
たとえば僕はキャンプを始めた当初、「みんなで焚き火やBBQがしたい!」と思ってスノーピークの焚火台Lを購入しました。
とにかく頑丈ですし、専用のアミを取り付ければ直火での調理も楽しめるので、グループで行く時や、家族とのファミリーキャンプをする時には大活躍してくれます。
スノーピーク焚火台スターターセットレビュー|価格と重量も納得の圧倒的な満足感!その一方で、大きくて重たいため、特に最近はソロキャンプをすることが多いので、もっとコンパクトで軽い焚き火台を使う方が多いです。
ソロキャンプ用として愛用しているピコグリル398は、折り畳むとおおよそA4サイズでペチャンコになるので、バックパックで行く時にも邪魔にならずにおすすめです。
参考 ピコグリル398Wanderlust Equipmentこのように、焚き火台にはそれぞれ用途や特徴があるので、ご自身のキャンプスタイルに合わせて選ぶようにしましょう。
キャンプスタイルに合わせた焚き火台の選び方については、キャンプ歴10年以上のやまとに解説してもらっていますので、こちらも見てみてください。
【2021年】焚き火台のおすすめ6選|定番から個性派まで選び方を10年のキャンプ歴から徹底解説!手袋
キャンプでは、薪を持ったりナイフを扱ったりと、注意していないと怪我に繋がる場面が多くあります。
また、アツアツのクッカーを持つ時や、焚き火をいじる時には、火傷にも気を付けなくてはなりません。
そこで怪我や火傷対策として必要になるのが手袋です。
手袋ひとつあるだけで、怪我や火傷のリスクが大幅に軽減されるので、必ず持っておきたい道具の1つですね。
落ちている枝を拾う時も、手袋を着けておけば、手に棘が刺さることも防げます。
手袋にもポリエステルから本革、中には耐火・耐熱に対応したものまで幅広くあります。
僕のおすすめは3双で約3千円で購入できるコストコの本革手袋です。
Grip Swany(グリップスワニー)に似ているので、コストコスワニーと呼んでいます。
本革なので、多少熱いものを一瞬持つ程度であれば、溶けたりすることがないので重宝しています。
コストコに立ち寄る機会がありましたら、ぜひチェックしてみてください。
アックス(斧)
必須ではありませんが、あると無いとだと大きく変わるアイテムが、アックス…斧ですね。
キャンプ場に売られている薪ですと、ある程度小さく切り分けられているものが多いのですが、ホームセンターなどで購入する薪ですと、1本1本が大きいことがあります。
大きすぎる薪は火もつきにくく、コンパクトな焚き火台に載せるとはみ出してしまう場合も…。
そんな時に役立つのがアックスです。
大きな薪も、薪割りをして小さくしてしまえば、火起こしも簡単になります。
また、薪割りの作業自体が楽しいというのも魅力の1つです!
おそらく、ほとんどの方が普段薪割りをする習慣は無いと思いますが、そうした「非日常的な体験」をして「ひと手間」を楽しめるのもキャンプの良さですね。
ちなみに僕が使っているハスクバーナ キャンプ用斧 38cmはサイズも価格も手頃なので、アックスデビューにおすすめです。
斧を使った安全な薪割りのコツは、こちらで解説しています。
焚き火に必須の薪割りを初心者でも安全に楽しむコツを解説!おすすめの斧もご紹介!ナイフ
アックスと同じく、薪や枝を加工するのに役立つアイテムがナイフです。
先に紹介したアックスよりも遥かにコンパクトですので、ブッシュクラフトに興味を持った人がまず最初に手にすることも多いですね。
ナイフと聞くと「物を斬る」とイメージしがちですが、薪にナイフを当てて、その背を別の薪で叩くことで薪を割るバトニングも、ナイフがあれば可能です。
バトニングで細く割った薪の表面を薄く削ってフェザースティックを作れば、高火力なバーナーなんて無くても簡単に火を起こせます。
そんなバトニングやフェザースティック作りを一通りこなせる入門用ナイフなら、モーラナイフのコンパニオン ヘビーデューティーがお値段3,000円以下とコスパ最強でおすすめです。
ただし、ナロータング(ブレードが持ち手の奥まで入っていない)なので注意も必要です。
ナイフ自体でガンガン叩くような雑な使い方をすると折れる危険性がある、という点だけ覚えておきましょう。
もちろん、普通に使えばバトニングも問題無く行えますし、実際にうぃる君もモーラナイフをバトニングに2年以上使用していますが、未だに壊れたり折れたりもしていません!
ちなみに僕は、フルタング(持ち手の部分にもブレードが入っている)のナイフを使っているので、バトニングなどもタフに使えて安心です。
ただ、フルタングは値が張るものが多いので、はじめはモーラナイフなどを使ってみて「もっとこういうのが良い!」というコダワリが見えてきてから購入するのが良いと思います。
ナイフはバトニングやフェザースティック作りだけではなく、ちょっとしたクラフト(木や枝の加工)の幅も、アックスだけよりもぐっと広がるので、焚き火の準備も焚き火中もさらに楽しくなること間違いなしです。
火口(ほくち)
バーナーなどに頼らない、本格的な焚き火を楽しむなら、火口(ほくち)を用意してあげましょう。
火口とは、火打ち石やメタルマッチなどで最初に着火させる燃料のことです。
ライターやバーナーくらいの火力があれば、フェザースティックにそのまま着火することもできますが、メタルマッチなどで直接火をつけるとなると、なかなか難しいです。
また、フェザースティックも、ふわふわの羽のように薄く作れれば火がつきやすくなりますが、最初からいきなり上手くは作れないです…。
そんな時、火打ち石やメタルマッチなどの小さな火花を炎へと変化させるための火口があると便利です。
バトニングやフェザースティック作りの際に出た削りカスなども火口として使えますが、燃えやすさ・手に入りやすさの2点でおすすめする火口が麻縄です。
短く切った麻縄をほぐしてふわふわの状態にすれば、ちょっとの火花でも簡単に火がつく優秀な火口となります!
麻縄は百均でも売られており、「この量があれば一生使えるんじゃないか?」という量が、たったの百円で手に入ります。
あまりの燃えやすさにより、すぐに燃え尽きてしまうので、完全にほぐす部分とそうでない部分を混ぜておくと、燃えている時間が長くなるのでおすすめです。
そのほかにも、僕は白樺の木の皮やティンダーウッド、チャークロス、リップクリームを練り込んだコットンなども持ち歩いています。
持ち運ぶ際や保管時は、湿気ないようにお気をつけください。
その日の気分によってつけ方を変えられるので、どれで火をつけようか考えるのも楽しみの1つです。
ジェルのような着火剤でしか火をつけたことが無いという方は、ぜひチャレンジしてみてください。
少しでも早く火をつけたい人向けの道具
麻縄にメタルマッチで火をつけて、その火をフェザースティックに燃え移らせるというのは、あえてひと手間を加えて「本格的な焚き火」を楽しみたい人向けの内容です。
家族や友人とキャンプに来ている時など、少しでも早く火を起こしたい場合は、着火剤とライターを使ってサッと火をつける方法が合っています。
着火剤にも「ジェルのような着火剤を使うのは雰囲気がちょっと…」と気になる人向けに、ナチュラルな雰囲気と燃えやすさを両立した「文化たきつけ」や、ライターやマッチが無くても火をつけられる「FIRE LIGHTERS」といったユニークな商品が沢山出ています。
また、持っている道具に合わせた簡単な火起こしの方法とコツは、こちらのページで解説しています。
火起こしのコツと基本テクニック|道具ごとの簡単な方法も解説メタルマッチ(ファイヤースターター)
ゆらゆらと揺らめく焚き火をゆったり眺めている時間も楽しいのですが、火を起こす瞬間もめちゃくちゃ楽しいです。
この火起こしを、さらに楽しくしてくれるのがメタルマッチです。
商品名によっては、ファイヤスターターやファイヤスチールなどという名称もあります。
いわゆる「火打ち石」のような商品で、擦った際に出る火花を、先ほどの火口に着火させます。
「マッチやライターでいいじゃん!」と思うところを、あえてメタルマッチでつける楽しさやロマンが、ここにあると思います。
また、ただ単に「楽しさ」や「ロマン」があるだけでなく、メタルマッチが機能面でライターに勝る場面も、実はあるんです。
標高が高い場所や、あとは濡れてしまった時などは、ライターは使えなくなってしまいます。
ところが、メタルマッチは高所でも関係無く、また濡れてしまったとしても拭けば火花を飛ばせるので、持っておくとめちゃくちゃ便利です。
たとえばガスバーナーやカセットコンロなどのスイッチもライターと同じ仕組みですので、高所には弱いのですが、そんな時にもメタルマッチで火花を飛ばしてあげれば火をつけられます。
アルコールストーブへの着火もできてしまうくらいで、シンプルながら意外なほど強力な火花を飛ばせます。
僕も昔はガスバーナーでボーボーやっていましたが、ソロキャンプだとほぼ必ずメタルマッチを使用して火起こしそのものを楽しむようになりました。
メタルマッチもとにかく種類があって、最近ではキャンプブームもあって百均でも購入できるようになっています。
百均のセリアのメタルマッチも問題なく使用できましたので、「まずはこれから始めてみる!」なんて方には1度試していただきたいですね。めっちゃ楽しいですよ!笑
基本的な使い方は、ロッドと呼ばれる金属の棒を、ストライカーと呼ばれる道具で擦るだけです。
擦った際に生じた火花を火口に着火し、そこで起きた小さな火をフェザースティックや燃えやすいものに移して少しずつ火を大きくしていくのですが、この過程がとにかく楽しいんです。
ロッド部分は格安品など、どれを使ってもそこまで変わりはないですが、大切なのはストライカーの方です。
尖っているものやバリがあるようなものですと、より沢山の火花を出せて、火がつきやすくなります。
ナイフの背などでも火花を出せるので、色々試すのも面白いですね。
フェザースティック作りとメタルマッチの使い方が上達すれば、フェザースティックに直接着火することもできるようになります。
さらに上級者になれば、火打ち石とチャークロスという炭化布で着火するのも良いですね。
焚き火は薪割りや火口の準備、そして火起こしそのものなどなど、ひと手間を加えると楽しさが何倍にもなるので、ぜひ試してみてください。
火吹き棒
着火の瞬間と同じくらい、僕が焚き火に心を奪われるのが火吹き棒を吹いている時間です。
火吹き棒はその名の通り、焚き火に空気を送る道具です。
煙がもくもくと上がっている時や新しい薪を追加した時にフーフー空気を送ることによって、酸素を供給して焚き火の温度が上昇するので、よく燃え上がるようになります。
ただ、火起こしをしてすぐの火が小さい時に吹いてしまうと、せっかくの炎が消えてしまいますので、火が小さいうちは使うのを我慢しましょう。
炎がある程度大きくなって、炭や熾火(おきび)がある状態から使うことによって、火を大きくできます。
火を大きくしたい場合に使用する道具ですので、調理の際に強火にしたい時などにもあると便利です。
伸縮できるタイプが一般的ですが、やまとはRedecker(レデッカー)のファイヤーブロワーという大きな火吹き棒を使用しています。
「小さくなった方が良さそう」と思うところですが、デザインと、そして小さくならないところが逆にかわいく感じて昔から気に入って使っているのだとか。
僕も借りて使わせてもらいましたが、見た目のかっこよさやフィット感などを実際に味わってしまうと、たとえ大きくて邪魔になってしまってもキャンプに持って行きたくなる気持ちが分かりました!
ちなみに僕はというと、バックパックで野営することが多いので、最近は伸縮性のある火吹き棒を火起こしセットの中に入れて持ち運んで使っています。
今では百均でも火吹き棒を購入できるので、焚き火の熱を間近で感じながらボウッ!っと火がつく瞬間の快感や、空気を送り込んで火力の増した薪がパチパチ立てる音をぜひ味わっていただきたいです。
火ばさみ
焚き火は眺めるだけでも楽しいですが、薪を追加したり、より燃えやすくするために考えながら動かすことも楽しいです。
そうした薪弄りをする際に欠かせないアイテムが火ばさみです。
火ばさみも各メーカーから出ていて、百均のトングなどでも代用できます。
ただ、高温でなおかつ重量もある薪を挟んだり掴んだりする道具ですので、掴みやすさや強度がとても重要になってきます。
僕が使用しているTEOGONIA(テオゴニア)の炭ばさみは、太い薪を思いっきり掴んでもびくともしないですし、多少踏んでしまっても曲がってしまうようなことが今のところ無いほど、しっかりした作りになっています。
食品用のトングや、格安品の火ばさみですと、太くて重い広葉樹の薪を掴んだ時に歪んでしまう場合もありますので、アウトドアショップに行って実際に掴み心地を確かめてみることがおすすめです。
「薪の配置をこんな風に変えたら空気が入りやすくなるかな?」など、色んなことを考えながら火を弄るのがとても楽しく、そして何より薪をくべる時の火傷対策にも火ばさみは欠かせません。
安心して使えて、あなたの手になじむ火ばさみを用意しておきましょう。
直火対応のクッカー
火を起こして焚き火を眺めて満喫したら、その火を使って調理をするのも、キャンプの楽しみ方の1つです。
そのために必要なのが、直火対応のクッカーです!
焚き火でお湯を沸かし、そのお湯でコーヒーを淹れて、そして焚き火を眺めながら飲む時間の充実度といったら…もう言葉では言い表せません。
また、焚き火の炎を使ってお肉を焼いたり、ご飯を炊いたりするのも最高です。
焚き火はただ眺めているだけでも満足できるのに、それにプラスして自分好みの味付けで料理を作り、その間も焚き火をいじりつつ、火加減を見ながら料理するのは本当に楽しいです。
最近はブッシュクラフト社の焚き火フライパンや、PATHFINDER(パスファインダー)社のカンティーン(キャンティーン) クッキングセットがお気に入りです。
焚き火フライパンは持ち手がついておらず、その辺に落ちている枝を拾って現場で持ち手を作る、という楽しみもあります。
鉄フライパンなので熱に強く、焚き火に放り込んでその中でステーキを豪快に焼いたりもできますし、普通のフライパンと同じようにも使えます。
たき火フライパン レビュー|自分で作る世界に1つだけの焚き火調理フライパンカンティーン クッキングセットは、直火でお湯を沸かしたり、レトルトカレーをこの中に入れて湯を沸かして温めたりもできます。
ケトルとしてだけでなく、ご飯を炊くこともできるなど、あらゆる料理がこれ1つで作れるのでおすすめです。
直火調理の煤対策
直火だと煤(すす)がついてしまいますが、金ダワシでゴシゴシ洗えば、綺麗な状態をある程度キープできます。
完全にこびりついてしまった煤もパイプクリーナーで落とせるようなので、煤汚れが落とし切れなくきましたら、また今度試してみたいですね。
焚き火で暖を取るながら温かい飲み物をいれて美味しい料理を作って、また焚き火を見て癒される…なんてことができますので、普段はバーナーや炭と網で料理をされている方も、焚き火調理をぜひ試してみてください。
まとめ
今回は、暖を取るだけで終わらせない、本格的な焚き火を五感で楽しむための道具を紹介させていただきました。
紹介した道具以外にも、火消し壺や炭をすくうスコップなどがあると、後片付けも綺麗に行えます。
その場所を自分の次に使う方が気持ちよく過ごせるよう、ひとりひとりが意識していきましょう。
また先日、山と渓谷社さんから年2回発行されているCAMP LIFEという雑誌の秋冬号に見開き2ページで「伊豆のぬし釣り」の記事を掲載していただきました。
僕たち以外にも人気キャンプYouTuberさんやインスタグラマーさんが多数掲載されていて見応えマックスなので、ぜひチェックしてみてください!