キャンプ・アウトドアなどのレジャーから、いざという時の防災の備えとしてまで、1台持っておくと心強いアイテムがポータブル電源です。
先日の地震で、私が住んでいた地域では数時間ほど停電し、その際にもポータブル電源が活躍してくれました。
キャンプブームの広まりや、地震や台風などの災害による防災意識の高まりもあって、昨今はポータブル電源を製造・販売するメーカーも増え、その選択肢も大きく広がっています。
そんな中から今回紹介するのは、容量・出力・価格といったポータブル電源選びにおける重要なポイントが良いバランスでまとめられた、まさに大容量ポータブル電源デビューにおすすめの1台です。
もくじ
BLUETTIの最新ポータブル電源 EB55
今回紹介するのはパワーオーク株式会社のポータブル電源『BLUETTI EB55』です。
BLUETTIは2018年に発足したブランドで、その歴史はまだ浅いものの、超大容量のモンスター電源『AC200』やポップなデザインが可愛らしい『EB70』など、革新的な製品を次々と出してBLUETTIブランドの名を一気に広めていきました。
伊豆のぬし釣りでも、これまでにEB70、そしてAC200を日本国内向けに改良したAC200Pを紹介しています。
BLUETTI EB70 レビュー|パワフルなポータブル電源で冬キャンプの寒さ対策 BLUETTI AC200Pレビュー|クラス最大級のポータブル電源今回のEB55は、そんなBLUETTIの最新商品であり、その特徴は「初心者でも簡単に使えて、可愛いポータブル電源が欲しい」というユーザーの声に応えた小型・軽量というコンパクトさにあります。
とはいえ、サイズが小さいだけではなく、バッテリー容量と出力は537Wh/500Wと安心の大きさを持ち合わせており、初めてのポータブル電源選びに最適な1台となっているのです!
BLUETTI EB55 基本仕様
まずはEB55の商品仕様から見ていきましょう。
全体のデザインは、2020年に販売されたEB70を踏襲したような可愛らしい見た目にまとめられています。
パラーバリエーションは今回お借りしたスチールグレーのほかにオレンジの計2色。
電源出力は5種類・計12個の出力ポートと、BLUETTIではおなじみとなった最大15Wのワイヤレス充電機能を本体上部に備えています。
- AC出力ポート×4
- USB-A出力ポート×4
- USB-C出力ポート×1
- DC出力ポート×2
- シガーソケット出力ポート×1
EB70と比較するとUSB-Cポートが1つ減ったものの、その代わりにUSB-Aは2ポート増えており、トータルの端子数ではEB70を上回っています。
そして、ポータブル電源全体の容量と出力ではEB70から小型化しているものの、USB-Cは最大100WのUSB PD(Power Delivery)に対応とEB70で高評価した大出力はそのまま採用されている点も嬉しいですね。
サンプルの同梱品はケーブルとACアダプターのみでしたが、製品版には以下のアイテムが付属します。
- ACアダプター
- シガーソケット用カーチャージケーブル
- MC4ソーラー充電ケーブル
- 取扱説明書
- 保証カード
2系統用意されている電源の入力は、同時使用が可能となっています。
たとえばACアダプターとソーラーチャージャーを同時に使えるため、より高速で充電することができます。
また、付属するACアダプターは90Wですが、別売りのオプションに200W版もあり、それらを組み合わせることで最短2時間ほどでフル充電できてしまうのだとか。
側面はファンと通風孔のみのシンプル構成で、このあたりもEB70から受け継がれている流れを感じますね。
背面には、非常に大きなLEDライトが用意されています。
これまでのポータブル電源に多かった「点で照らす」のでなく、広い面積で照らせるようになっているので、懐中電灯というよりもランタンのように空間を明るくしてくれます。
ちょっと気になったのは、透明の保護フィルムを剥がそうとしたところ、白いフィルムも一緒に剥がれそうになってしまったことです。
製品版での接着の強さが心配ですね。
上部のハンドルもEB70と同様にクッションやラバーが使われておらず、握り心地はいまひとつですが、本体重量が9.7kgから6.5kgへと3kgほど軽いため、持ち運びはだいぶ楽になっています。
BLUETTI EB55出力性能
それでは、BLUETTI EB70を実際に使って、充電性能を確かめていきましょう。
キャンプ中でもパソコン作業をする私にとって、特に重要なのがUSB-C端子の出力の強さです。
USB PD対応を謳うUSB-C端子でも、その出力は18W程度から100W程までと非常に幅広いです。
ノートパソコンのような消費電力の大きな機器ですと、45W未満の弱めのUSB-C端子では「供給される電力よりも消費する電力の方が大きくて充電が間に合わない」とかではなく、「弱い場合には電力供給自体をしない」といった仕様にしている場合もあります。
EB55のUSB-C端子はUSB PD3.0に対応し、最大100Wでの出力が可能です。
対応している機器を繋ぐと御覧の通り、USBケーブル1本で50W以上の大きな電力を送れています。
ACとDCの同時出力にも対応していますし、何よりこの容量、このサイズで500W出力に対応している余裕のある設計が心強いですね。
LEDライトは空間を広く照らしてくれて、ランタンの代わりとしても使えます。
ライトの消費電力はパネルの表示によると光量弱で2~3W、強でも5Wほどと省電力でしたので、キャンプの夜にはバッテリー残量を気にせずに照明として活躍してくれそうです。
冬キャンプで暖房器具を使ってみた
出力の高さを生かし、60Wの電気毛布を繋いで冬キャンプで使ってみました。
ところが、ここでちょっと気になった挙動が。
消費電力は50W前後を推移しており、スペック上の理論値としましては537WhのEB55ならば10時間程度は動かせる計算です。
電力の変換ロスを考慮して8割程度と考えても、8時間は使えるはずですが、3時間程度で残量表示が20%となってしまったのです。
残量表示が20%区切りなので正確にどのくらいを消費したのかは定かではありませんが、甘く見積もっても3時間で60%以上は消費してしまったと考えると、ちょっと変換ロスが大きすぎるかなと感じました。
このあたり、製品版で改善されていることを期待したいですね。
EB55の消費電力のテストも兼ねて実施した冬キャンプの様子はYouTubeにて公開しています!
モバイルプロジェクターと組み合わせて使いたい
EB70やAC200Pと比較したEB55の魅力はやはりそのコンパクトさでしょう。
10kg近いEB70や、ほぼほぼ30kgというAC200Pと比べると、6~7kgというEB55は手軽に、そして気軽に使えるポータブル電源です。
EB55は同クラスの容量を持つ他メーカーのポータブル電源と比べると、出力面でも500Wというのは非常に強力で優秀です。
しかし、大出力の家電を組み合わせて短時間だけ動かすよりも、この手軽さ・気軽さを生かし、コンパクトで消費電力の低い器具を長時間使う方が相性が良いかなと感じました。
そこでおすすめなのが、片手で持ち運べるサイズのモバイルプロジェクターです!
ポータブル電源にちょこんと載せられる小さいプロジェクターが1台あれば、キャンプの夜もたちまち上映会に早変わり。
モバイルプロジェクターはバッテリーを内蔵していて、それ単体でも稼働できる商品もありますが、その場合は1~2時間程度でバッテリーが切れてしまいます。
寒いと余計にバッテリーの消耗も激しくなりますし、映画のクライマックスに差し掛かったあたりで電池が切れてしまった…なんて悲しい事態も、大容量のポータブル電源につなげば心配無用です!
今回組み合わせてみたVANKYOのモバイルプロジェクターの消費電力は20W程度でしたので、EB55ならば20時間以上は楽に動かせられます。
Android OSを積んでいないモバイルプロジェクターを使いたい場合は、Fire TV Stickを組み合わせてみてはいかがでしょうか。
USB-A端子から給電できて、YouTubeもPrime Videoもこれ1本で楽しめます!
容量・出力・価格のバランスが良い「初ポータブル電源」におすすめの1台
電源は容量が大きくなるほど、サイズも大きく・重たくなるため、持ち運びも大変になります。
ある程度使い慣れてきて「自分たちのキャンプスタイルで、1泊する時に使う電気の量はこれくらい」というイメージが固まっていれば、それに合わせたサイズの電源を選べます。
しかし、最初の1台…初めてのポータブル電源を選ぶ時というのは、そうした基準が無くて、どれを買えば良いか分からなくなってしまいがちです。
EB55は容量・出力・サイズのバランスが高い次元でまとめられ、そのうえお値段もお手頃で、まさに「初めてのポータブル電源におすすめの1台」と言えます!
毎回、楽しく動画見させてもらってます!
長野県茅野市に住んでます。
調味料で「ほりにし」と言うスパイスがあるので是非使ってみて下さい!
肉にかけて食べるだけで格段に美味しいです!
これからも楽しみにしてるのでどんどん動画アップをしていって下さい!