キャンプ飯と言えば、やっぱり焼肉は欠かせません!
しかし、焚き火台を使って網で焼くと準備にも手間がかかるうえに後始末が面倒ですし、かと言ってクッカーやフライパンで焼くのもなんだか味気ないですよね。
今回ご紹介する「ヨコザワテッパン」は、お肉を素早く美味しく焼けて、準備やメンテナンスも簡単、なおかつ男心をくすぐる武骨な見た目が素敵なアイテムです。
このページでは、「ヨコザワテッパン」の魅力から使い方、メンテナンス方法まで、詳しくまとめました!
もくじ
ヨコザワテッパンとは
冒険用品というメーカーが販売しているヨコザワテッパンはその名の通り、見た目はただの1枚の鉄板です。
大きさもA5サイズと、とにかくシンプルでコンパクト!
しかし、そのシンプルな見た目は、アングラーの横沢鉄平さんによる計算し尽くした設計がされているのです。
厚さ5mmの肉厚鉄板は熱を溜め込む性能に優れます。
熱を溜め込むとは「熱しにくく冷めにくい」ことであり、そのため熱が均一に広がり、たとえば鉄板の端と中央でも熱量に差が生まれず、ムラなく焼けるのです。
「蓄熱性が高いおかげでムラなく美味しく焼ける」というのは鉄スキレットと同じ仕組みであり、よく言われる「ヨコザワテッパンで焼いた肉は美味い!」なんて感想も、無骨な雰囲気がそう感じさせてくれるだけでなく、美味しく焼ける仕組みがこのように存在するというわけですね。
そのほか、ヨコザワテッパンの付属品は以下の通りです。
- ヨコザワテッパン本体
- 専用袋
- 金属コテ
- アルミ製やっとこ
- 防錆用紙
バーナーに載せるだけで本格焼肉を楽しめる
キャンプやアウトドアでの焼肉といえば、網を使って炭火で焼くのが定番ですが、準備に時間がかかるのが難点ですよね。
特にキャンプでは、キャンプ場に到着してからはテントやタープの設営など、やることが盛りだくさん。
その合間に焚火台やバーベキューグリルを用意して火を起こして…という手間も楽しいのですが、お腹が空いて「1秒でも早く焼肉を食べたい!」なんて時にはもどかしくも感じてしまいます。
かといって、シングルバーナーとクッカーで焼くのも少々物足りないですし、何より火力不足で、ソロキャンプならともかく2~3人で焼肉をするのは厳しいです。
その点、ヨコザワテッパンならばバーナーに載せるだけと手軽なうえに、鉄スキレットのように美味しく焼けて、それに加えて見た目も格好いいと、まさにいいこと尽くめ。
それでは、その実力を実際に試していきましょう!
ヨコザワテッパンのシーズニング方法を解説
スキレットなど鉄製の製品は、最初に「シーズニング」と呼ばれる油をなじませる作業が必要になります。
ヨコザワテッパンは通常のA5サイズのほか、ハーフサイズも存在しますが、A5サイズの場合はシーズニング手順が専用袋に書いてありますので、その手順通りに進めてみましょう。
まずは表面を火で炙ります。
色が少しずつ変わってきますので、色の変化が落ち着いたら、ひっくり返して裏面も同じように行いましょう。
テッパンの色が変わったら火を止め、自然に冷めるのを待ってから、食用洗剤で洗っていきます。
洗剤を洗い流したら水気を拭き取り、仕上げに食用油をキッチンペーパーで塗っていきます。
僕はオリーブオイルを使用しました。
この3ステップで、ヨコザワテッパンが使えるようになりました。
ヨコザワテッパンで焼肉とステーキを焼いてみた
シーズニングも終わったのでお肉を焼いて食べてみましょう!
初めての使用時には、くず野菜を最初に炒めておくことで、鉄臭さを和らげられます。
ヨコザワテッパンの良い点はシングルバーナーや焚き火など、あらゆる熱源で使用できることです。
今回は、僕が以前に自作したアルコールストーブと五徳に組み合わせてみました。
ヨコザワテッパンを使用する際は、油が下に流れ落ちますので、キッチンペーパーや新聞紙を敷いておくと片付けが楽になります。
僕は金属製のトレーの上に新聞紙を敷きました。
点火したアルコールストーブを五徳にセットし、その上にヨコザワテッパンを載せれば準備完了です!
牛脂を滑らせてみると、アルコールストーブの真上であるテッパン中央はもちろん、端の方でも脂がパチパチと心地良い音を奏で、食欲を刺激してくれました。
ちなみに今回は豚バラ肉を使って、大好きなサムギョプサルを作っていきます。
ヨコザワテッパンは見た目のコンパクトさゆえに「ソロキャンプ用なのでは」と思われることもありますが、その印象を大きく覆してしまうくらいに広く使えます!
その理由は、フチなどが無いフラットな形状ゆえに、テッパンの端まで食材を置けるためです。
今回使用したのは1枚1枚が大きめのお肉ですが、A5サイズのヨコザワテッパンのスペースをフルに活用することで、5枚のお肉を同時に焼けてしまいました。
焼けたお肉をサンチュにのせて、キムチと白髪ねぎを添え、ニンニクとコチュジャンで作ったソースを加えて包めば完成です!
外でこんな本格サムギョプサルが楽しめるなんて、最高ですね^^
お肉を1セット焼き終えたあたりで、牛脂を再度塗ってみると、ご覧の通り。熱源が中央にしか無いとは思えないほどの良い火力です!
食材を乗せてから中心に熱が通るまでも非常に速く、2~3人で焼肉をするのであれば、お肉を鉄板に載せては食べてをノンストップで続けられるほどです。
むしろソロキャンプで、ヨコザワテッパンが埋まるほど食材を載せてしまっては、1人では食べるのが追い付かないくらい、あっという間に焼けてしまうのです。このスピード感はクセになりますね。
ヨコザワテッパンの力を試すべく、大きくて分厚いステーキ肉も焼いてみましょう!
テッパンとほぼ同サイズ…どころか、ちょっとはみ出すくらいの大ボリュームですが、テッパンの端でもジュージューとお肉が焼ける音が響いています。
お肉をひっくり返す際は、テッパンが五徳から滑り落ちないよう、付属の「やっとこ」で押さえながら慎重に行っています。
ひっくり返してみると、綺麗にステーキ肉が焼けています!
これほどの大きなステーキ肉でもムラなく焼けてしまうとは、ヨコザワテッパン恐るべしですね。
裏面もじっくり焼いたあたりでステーキを切ってみました。
表面にはしっかり火を通しつつ、中は固くならずに、ふんわり柔らかいステーキの完成です!
1枚の鉄板でお肉を豪快に焼いて食べる…それを可能にするヨコザワテッパンは、男心をくすぐる至高のアイテムですね。
メンテナンス・片付けも非常に簡単!
ヨコザワテッパンは準備だけでなく、食後の後片付け・メンテナンスもめちゃくちゃ楽です!
その片付け手順は、テッパンが温かいうちにコテで擦って、汚れや焦げを取り除くだけです。
テッパンにフチや凸凹が無いおかげで、汚れが1ヶ所に固まってしまうことも無くて擦りやすい点も、お手入れが楽で良いですね。
仕上げに、キッチンペーパーで拭いてあげれば、洗剤で洗わなくてもベトつかずに収納できます。
馴染んだ油が落ちてしまうので洗剤を使って洗うのがNGというのは、鉄製商品ではおなじみですね。
あとは付属の防錆用紙に挟んで、専用袋に入れるだけです。
テッパンに残った油で袋が汚れるのが気になる場合は、防錆用紙で挟んだ後にビニール袋で包んでから専用袋に入れてあげるのをおすすめします!
ヨコザワテッパンを安全に楽しむために揃えたいアイテム
準備や片付け、持ち運びがしやすく、そのうえ美味しい焼き肉をどこでも手軽に楽しめるのが魅力のヨコザワテッパンですが、注意点もあります。
ヨコザワテッパンを安全に楽しむために、2つのアイテムを用意しておきましょう。
- 分離型バーナーもしくは遮熱板
- やっとこ
これらが必要な理由を、ヨコザワテッパンの注意点と合わせて解説します。
輻射熱対策は必須
ヨコザワテッパンをバーナーで使用する際に注意したいのが「輻射熱」です。
バーナーで熱せられたテッパンの熱は、食材を焼く面だけでなく、下方向にも及びます。
その際に、バーナーに取り付けられたカセットボンベとの位置が熱源と近かったり、熱を遮る物が無かったりすると、カセットボンベが加熱されて、最悪の場合には爆発を起こしてしまいます。
カセットコンロが爆発した、なんて事故をときどき耳にすることがありますよね。その原因が、この輻射熱なのです。
ヨコザワテッパンを使用する際も、テッパンとガス缶の位置関係には注意しましょう。
SOTOのST-301のように、バーナー部分とガス缶の位置を離せる分離型のタイプを使うのは、安全対策として非常に有効です。
しかし、一体型のバーナーでも遮熱板を使うことでヨコザワテッパンを安全に使うことが出来ます!
カセットボンベを使用するタイプの一体型シングルバーナーの中でもド定番の人気機種であるSOTOのST-310用の遮熱板が、ヨコザワテッパンと同じ冒険用品から販売されています。
その名も、シャネツプレート「ヨコザワの盾」
この直球なネーミングが男心をくすぐりますね^^
ちなみに僕もST-310を持っていますが、持ち運び時の携帯性を重視して、半分に分割できるタイプの遮熱板を使用しています!
遮熱板を使いつつ、使用時にはガス缶の温度もこまめに確認しながら、安全にテッパンバーベキューを楽しみましょう!
精度の良い「やっとこ」
ヨコザワテッパンを購入して感じた最大の不満点は、付属する「やっとこ」です。
やっとことは、ペンチのように挟む道具のことで、取っ手や引っかける穴の無いヨコザワテッパンを持ち上げるのに必要なアイテムなのですが、付属のやっとこの使い勝手が非常に悪いのです。
中央が盛り上がっていて、テッパンを点で挟むような状態になってしまっています。
このせいで、テッパンを挟んだ際の固定力が弱く、持ち上げた際にテッパンがくるっと回ってしまうことも…。
ヨコザワテッパンはサイズこそコンパクトですが、重さは約1kgありますので、挟む位置がフラットになっている精度の高いやっとこを用意するか、付属のやっとこを使い続けるのであれば削って平らにすることをおすすめします。
ヨコザワテッパンは男のキャンプを盛り上げる最強アイテム
輻射熱と、鉄板を持ち上げる道具の2点には注意が必要なものの、それ以上のロマンが溢れんばかりに詰め込まれたアイテム…それが僕のヨコザワテッパンへの正直な想いです!
「キャンプの焼肉と言えば炭火」といった僕のイメージを覆したほどで、「美味しいお肉をこんなに簡単に楽しめるのか!」と、その出会いはまさに衝撃でした。
キャンプにハマり、数多くのキャンプ道具を買い漁っている僕が、2019年に買って良かったキャンプ道具で堂々の1位に選んだほどの圧倒的な魅力を、皆さんもぜひ1度体感してみてください。
ヨコザワテッパンの魅力やシーズニング方法については、YouTubeの動画でも詳しく解説しています。