Osmo Pocketの魅力の1つは「ナイトショット」と呼ばれる強力な暗所撮影能力です。
f2.0という明るめのレンズを搭載し、暗い場所でもブレが無く滑らかな明るい映像が撮影できます。
その反面、日中の屋外などの明るいシーンでは、むしろ明るくなりすぎて白飛びしてしまうことがありました。
Osmo Pocketを1ヶ月間使ってみて気になった点をまとめた記事でも、その点について触れています。
非公開: Osmo Pocketを1ヶ月間使用して気になったポイントまとめ|イマイチな点を整理して後悔の無い買い物をしよう!今回の記事では、そうした明るいシーンでも美しく動画撮影できるアイテム「NDフィルター」をご紹介します。
もくじ
NDフィルターとは「カメラ用のサングラス」
NDフィルターとは、ひとことで言えば「カメラ用のサングラス」です。
レンズに取り付けることで、取り込む光の量を抑え、適切な明るさに調整するためのアイテムで、動画撮影においては必需品とも言われていますね。
カメラはF値・シャッタースピード・ISO感度の設定をすることで、撮影する画像や動画の明るさをある程度調整できるものの、ある程度と表現した通り、明るすぎたり暗すぎたりするシーンなど、カメラ側の設定だけではどうしても対応できない場合が存在します。
暗すぎるシーンの場合は照明を当てて、被写体そのものを明るくすることで対応するのですが、その逆に明るすぎるシーンで利用するのが、今回紹介するNDフィルターです。
JUNESTAR DJI Osmo Pocket専用NDフィルター
今回購入したのはJUNESTAR(JSR)という中国メーカーのNDフィルターです。
AmazonではHonboboやXHSといった販売業者が出品しており、商品名に販売業者名が含まれてしまっているせいで分かりにくくなっています。
販売業者や在庫状況によっては注文後に海外から発送されるという場合もあり、注文した時点では国内在庫が無かったのか到着までに1~2週間ほどかかりました。
2019年2月現在ではAmazonに在庫があるため、国内からの発送となりますので、早ければ注文の翌日には受け取りが可能です。
専用の収納ケース入り
中国からの発送となった本商品ですが、若干の箱潰れはあったものの無事に届きました。
今回購入したのはND8・ND16・ND32・ND64のフィルター4枚セットで、撮影シーンの明るさに合わせた使い分けが可能です。
このほか、イルミネーションのような強い光を星状に尖らせる効果のあるSTARフィルターや、紫外線を防いでレンズを保護するUDフィルターが含まれるセットも販売されています。
購入する際は、自分の欲しいフィルターがセットに含まれているかを確認しましょう。
専用のケースに収納されており、持ち運び時にも紛失したり傷付いたりする心配がありません。
全部で6枚のフィルターを収納できる仕様で、追加でフィルターを購入した場合にもまとめて持ち歩けます。
商品イメージ写真とは印象の異なる外観
それでは、より詳しく外観をチェックしてみましょう。
販売ページにある商品イメージ写真はポップな赤色で、まるでオモチャのような印象を受けていました。
しかし実物はつや消しなうえに赤の色味も渋めで、落ち着いた雰囲気が漂います。
背面の四隅にはマグネットが配置され、Osmo Pocketとは磁力で固定をする仕組みです。
フィルターの側面には減光量を表す数値が印字されています。
Osmo Pocketがとにかく小さいため、そのカメラレンズに取り付けるNDフィルターも当然ながら超コンパクトサイズ。
1円玉と並べると、その小ささが伝わるでしょうか。
サイズは小さく可愛くとも、価格は1枚あたり約2,000円と決して可愛くない金額設定ですので、紛失しないように注意しましょう。
ワンタッチでの簡単取り付け
それでは、実際にNDフィルターをOsmo Pocketに取り付けて使用してみましょう。
NDフィルターの固定は磁力で行うため、Osmo Pocketへの取り付けはただくっつけるだけでOKです。
ネジを回したりせず、気軽に使えるのは嬉しいですね。
NDフィルターは小さく薄く、そのうえ金属部はアルミ製なので、とにかく軽いです。
そのため、NDフィルターを取り付けた状態でも、ジンバルの精度は問題ありません。
カメラやジンバルといった精密機器の内部に影響の無いようにとの狙いか、磁力が少々弱いかもと気になりましたが、カメラが最も激しく動くOsmo Pocketの電源オン・オフ時にもフィルターが外れてしまうようなことはありませんでした。
特に起動時はカメラが縦横無尽にカチャカチャと動くのですが、フィルターはぴったりと固定されたままです。
フィルター自体がかなり薄いのもあって、爪を短く切っている人ですとレンズから取り外すのに苦戦するほど。この固定力は心強いですね。
昼間の屋外で撮影テスト
NDフィルターの効果を試すべく、雲の無い快晴の昼間に、屋外で撮影テストを行いました。
撮影時のOsmo Pocketの設定はISO感度を100・シャッタースピードを1/120で固定しています。
シャッタースピードを固定するのは、明るさに合わせて変動してしまうと動画の滑らかさにバラつきが出てしまうためです。
太陽が自分の左側から照らしてくる環境で撮影した結果が以下になります。
まずはそのまま、フィルターを取り付けずに撮影した様子です。
シャッタースピード1/120ですと完全に白飛びしてしまっていて、青空にはとても見えませんね。
こちらがND8のフィルターを付けて撮った写真です。
今回のセットに含まれている中では、減光量が最も弱いフィルターですが、それでもフィルター無しで撮影した時との違いは歴然。
写真中央付近はまだ明るめですが、この日の空は青かったのだということは伝えられるようになりました。
こちらがND16のフィルターを付けた時の様子です。
今回の撮影環境ですと、肉眼で見た時と最も近い色味になったのは、このND16でした。
ND32のフィルターに交換して、更に減光量を強くしてみた結果がこちらです。
空の青みが濃くなりましたが、肉眼で見た時よりも全体的に暗くなってしまっています。
周囲に建物が無くて太陽光がより強く当たる環境であれば、今回の撮影環境よりも明るくなるため、ND32でちょうど良くなりそうですね。
最も強力なND64のフィルターを付けてみるとこの通り、日が沈んでしまったのかと疑うほどに暗いです。
このように、数値が大きければ大きいだけ良いというわけでなく、撮影環境に合わせた適切な減光量のフィルターを選択することが良い映像を撮るために必要不可欠です。
完全な逆光でも撮影可能
ここまでは太陽が横から照らしているシーンでしたが、ここからは太陽の方を向いて…つまり逆光での撮影テストとなります。
カメラ設定は先ほど同様に、マニュアル(ISO:100・シャッタースピード:1/120)で撮影しています。
フィルター無しではご覧のように、左上にある太陽を中心に全体が白く飛んでしまっています。
先ほどのテストでもフィルター無しでは白飛びしていましたが、逆光時はその比ではありません。
写真左側に建物があると言われても判断できないほどの圧倒的な光量です。
ND8のフィルターを付けてはみたものの、ここまで明るい状況下ですと、ND8程度の弱いフィルターでは太刀打ちできません。
フィルター無しの状態に比べれば、写真左側にある建物の外壁を認識できるようにはなったものの、空は完全に白一色となっています。
先ほどのテストでは暗すぎてイマイチだったND64のフィルターを使ってみたところ、太陽が正面にあるような完全な逆光下でもここまで暗く撮影することが出来ました。
ただ、少々暗すぎるようにも感じるため、今回の環境ではND32程度がちょうど良い印象です。
「逆光ですら暗すぎるなら、ND64なんて要らないのでは?」と思う人がいるかもしれませんが、そんなことはありません。
ゲレンデや海など、直接当たる太陽光以外に下からの照り返しが強いシチュエーションでは更に光量が増すため、そうした場合にはND64のような強力なフィルターが必要となるのです。
シャッタースピード等の設定をそのままで、サッと取り付けるだけで明るさを好みに調節できるのは便利ですね。
2枚を重ねての使用は非推奨
一眼レフのカメラレンズ用NDフィルターですと、複数枚を重ねて減光量を変化させられるのが一般的です。
そこでOsmo Pocket用のNDフィルターでも2枚重ねで使用できるかを試してみました。
NDフィルターを重ねた時の減光量の計算方法についてなど、詳しくは当ブログの撮影機材記事にて解説をしています。
一眼レフカメラでYouTube動画を撮ろう!おすすめの撮影機材一覧を紹介Osmo Pocket用NDフィルターを2枚重ねて使用した結果ですが、結論から言うと一応、使用は出来ましたといったところ。
「レンズにフィルター2枚分の重量が加わることで、ジンバルの精度が低下するのでは」と懸念していましたが、撮影中のジンバルの動きについては特に違和感もありませんでした。
電源OFF時にフィルターを2枚取り付けている場合は、起動時にカチャカチャと動いた後、カメラが斜め下を向いてしまうこともありましたが、その場合も電源ボタンを2タップしてあげれば問題無く中央に戻ります。
にもかかわらず、「一応」と言葉を濁したのは、フィルターを2枚重ねすることによる適切な効果を得られなかったためです。
フィルターとフィルターの隙間から光が入ってきてしまうのか、フィルターを2枚組み合わせた時に想定される映像よりもかなり明るくなってしまいました。
たとえばND8とND16のフィルターを組み合わせた時はND128相当となり、ND64のフィルターよりも暗くなるはずなのですが、実際に取り付けて撮影してみるとその減光量はせいぜいND32程度。
さらに、映像の端には重ねたフィルターのシルエットが入り込んでしまいます。
こうした結果から「重ねても使用できるが、あえて重ねる理由が無い」という結論に至りました。
NDフィルターを取り付けた状態でケースに収納できる
嬉しい誤算だったのは、商品写真を見てイメージしていたよりも実物が薄く、フィルターを付けた状態でOsmo Pocketを専用ケースに収納できたことです。
これならば、撮影する日の天気次第で適切な濃さのフィルター1枚だけを持ち歩くといったことも可能です。
複数枚のフィルターを収納ケースにまとめて持ち歩けば紛失の心配はありませんが、荷物が増えたり、出し入れの手間が加わることで、Osmo Pocketの「いつでも気軽に使える感覚」を損ねる原因にもなり得ます。
NDフィルターに限らず、Osmo Pocketには豊富なアクセサリーが続々と発売されていますが、何でもかんでもをゴテゴテ取り付けて重装備にしてしまうと「それってOsmo Pocketである必要無くない?」と感じずにはいられません。
せっかくこんな革新的なカメラを使うのですから、ひとまとめにして持ち歩ける構成の中で、画質を追求していきたいというのが私の考えです。
レンズ保護フィルムとの併用がおすすめ
最後に、Osmo PocketでNDフィルターを使用する際の注意点をシェアしておきます。
JSRのフィルターはレンズと接触する面の四隅にマグネットが配置されていますが、Amazonのレビューによると、このマグネットが原因でレンズが傷付くことがあるようです。
あらかじめその情報を知っていたおかげで取り外し時に注意していたためか、今のところは特に傷ついたりはしていません。
心配な方は、Osmo Pocketのレンズを保護するフィルムを一緒に購入しておきましょう。
Osmo Pocketでマニュアル撮影をするのなら「買い!」
今回紹介したNDフィルターですが、オートモードでしか撮影をしないのであれば、必要性は高くありません。
オートモードであればシャッタースピードが自動で遅くなることで明るさが変わり、白飛びを抑えられるためです。
しかし、動画内でシャッタースピードが変動してしまうと、滑らかさに一貫性が無くなり、違和感のある映像となってしまいます。
「安定感のある映像」を撮るのであれば、シャッタースピードを固定したまま明るさだけを好みに調整できるNDフィルターは、まさに必須アイテムです。
Osmo Pocketで撮影する映像にどこまでのクオリティを追求するのかで、NDフィルターを買った方が良いかどうかが見えてきます。
「もっと良い映像を撮りたい」と考えていた人は、NDフィルターの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
そうですよね…
ありがとうございます
それと、DJIはアクセサリもろもろをいつ発売するんですかねー
本体と同時に発表されたのに、まだ発売されてないアクセサリーも結構ありますよね笑
充電ケースや純正NDフィルターもようやく販売開始されたので気になります!
広角レンズとNDフィルターを重ねるのもやっぱり難しいですかね
コメントありがとうございます!
重ね付けを最初から想定されたタイプの商品が出ないと厳しそうですね。。。