キャンプなどのアウトドアシーンはもちろん、防災用の備えとしても1台あると安心なポータブル電源。
便利とは言っても決して安い商品ではないため、バッテリー容量や出力できるパワー、そしてお値段などなど、自分の用途に合わせて選ぶことがポイントです。
今回は、これまでに紹介してきた中でも最も大容量かつハイパワーなポータブル電源を、メーカーからサンプルを提供していただいたので、紹介していきます。
ページの最後では、特別企画も用意していますので、ぜひ最後まで読んでみてください!
もくじ
アウトドアをもっと便利にしてくれるEENOUR ポータブル電源 EB50
今回ご紹介するのは、EENOUR(イーノウ)というメーカーのポータブル電源『EB50』です。
EENOURは2020年に新しく創立したブランドで歴史は浅いものの、日本のポータブル電源市場に5年以上携わってきたメンバーが集まっているのだとか。
特徴としては、防災用途を想定した従来のポータブル電源とは異なり、キャンプや車中泊といったアウトドアシーンでの利用をコンセプトとして考えて作られた、まさにキャンパーのためのポータブル電源メーカーという点です。
そんなEENOURから、今回は大容量135,000mAh(500Wh)のEB50をレビュー用にいただいたので、実際の使用感も含めて詳しく紹介させていただきます。
EENOUR EB50 基本仕様
まずはEB50の基本仕様から見ていきましょう。
5種類・計10個の出力ポートはすべて同時給電可能となっています。
- AC出力ポート×2
- USB-A出力ポート×4
- USB-C出力ポート×1
- DC出力ポート×2
- シガーソケット出力ポート×1
同梱品は以下の通り。
- ACアダプター
- USB-Cケーブル
- シガーソケット用ケーブル
- ソーラーチャージャー用ケーブル
- 取扱説明書
- 保証書
入力ポートは背面の1つのみで、ACアダプターやシガーソケット用ケーブルを使って充電できます。
また、ソーラーチャージャー用のケーブルも付属していますので、別売りのソーラーチャージャーを組み合わせることで、太陽光充電も可能になります。
バッテリー容量は135,000mAh(500Wh)という大容量で、私がこれまでに使用してきたポータブル電源の中でも最大容量となっています。
本体正面の液晶画面では、バッテリー残量が20%単位・5段階で表示されます。
電源・AC・DCの3つのボタンがあり、ACとDCボタンの同時長押しで50Hzと60Hzの周波数切り替えも行えます。
もしも50Hzのみ(または60Hzのみ)にしか対応していない機器を持っていても、安心して使えますね。
本体上部のハンドルは、手に触れる位置がクッション素材となっており、重たいバッテリーを持ち運ぶ際にも手を痛めることがありません。
背面には本体充電用の入力端子のほか、AC出力ポートが2つと、上部にはLEDライトが内蔵されています。
本体上部のボタンで操作することで、点灯のほか、救難信号としても使える点滅モードなどを切り替えられます。
EENOUR EB50の出力性能
それではいよいよ、出力性能テストも含めたEB50の使い勝手を見ていきましょう。
USB-C端子はUSB PD(Power Delivery)に対応しているものの、最大出力はやや控えめな45Wという仕様になっています。
同じEENOURのポータブル電源『P302』は最大100WのUSB PD対応USB-Cポートを備えているので、自分の用途に合った最適な電源を選ぶ際には、バッテリー容量を重視するのか、それともUSB-C出力の大きさを重視するのかなども比較してみてください。
USB-Cポートに、私の愛用ノートパソコンであるASUSのZenBook Flip Sを接続してみました。
18~30Wのような出力の弱いUSB PD対応USB-Cポートに繋ぐと電気が一切供給されず、「充電スピードが遅い」ではなく「まったく充電できない」という不思議な仕様となっているZenBook Flip Sですが、EB50のUSB-Cポートと繋いでみると、無事に充電が開始されました。
10W前後の電力が供給されており、500Whという容量から単純計算すると、丸2日以上もパソコン作業ができる計算です!
もちろん、電気の出力時にはロスも発生するので、その通りにはなりませんが、それでもやはり500Whという大容量は安心感がありますね。
ホームプロジェクターも起動できるハイパワー!
私がポータブル電源を使用する際に必ず試すのが、家で普段使用しているホームプロジェクターを繋げてみるというテストです。
プロジェクターは特に起動時に大きな電力を必要とするためか、これまでに使用してきた2機種では、プロジェクターを起動して動画再生をすることが出来ませんでした。
そして今回、EB50とプロジェクターを接続して電源を入れてみたところ…。
なんと、無事に起動、そして再生まで出来ました!
ピーク時に160Wほど、再生中も常時150W前後という電気食いなプロジェクターですが、それを安定して動かせるというEB50のハイパワーっぷりに驚きを隠せません。
というわけで、貸し切りのキャンプ場を利用し、念願だった「キャンプでの動画鑑賞会」を実現してきました。
スクリーンとして利用したのは、テンマクデザインのムササビウイングです。
私たちメンバーが持っているタープの中で「最も白色に近く、かつ生地が厚手のタープ」というのが選定理由でしたが、これが大正解。くっきりと映像を投影できました。
テンマクデザイン ムササビウイング13ft.TC “焚き火”version
焚き火を囲みながら、YouTubeの動画を観る…なんとも贅沢な至高の時間となりました!
ただし、電力の消費量は表示される数値以上に大きかったのか、ほぼ満タンの状態から2時間弱でバッテリーが空になってしまったため、もう少し省電力なプロジェクターと組み合わせれば実用性がより高まりそうです。
ちなみに、今回テストに使用したのはVANKYOのフルHD対応プロジェクター『V630』でした。
注意:冷却ファンの動作音は大きめ
EB50を使用して気になったのが、冷却ファンの動作音です。
入力・出力ともに一定の電力を超えると、バッテリーの保護のために冷却ファンが動くのですが、それがなかなかに高回転で、大きな動作音もします。
外で使う場合には動作音はそんなに気にもなりませんが、注意すべきは、動作音が大きければ、それだけ本体が風を吸い込む力も大きくなるということです。
砂ぼこりの多い場所で使う際は、EB50が砂を吸い込んだりしないよう、ポータブル電源本体をテント内などに入れたまま使用する方が、故障のようなトラブルのリスクを下げられそうですね。
低価格でハイパワーなコスパ優秀ポータブル電源
私のポータブル電源使用歴3台目にして、プロジェクターの起動・撮影に初めて成功したEENOURのEB50は、パワー・容量ともに過去最大級です。
それでいてお値段もぶっ飛んでお高いというわけでもなく、定価は68,000円なのですが、Amazonや楽天といった各ショッピングサイトでは1万円近いお値引きがされていて、アンダー5万円で手に入ります!
某社のポータブル電源が、容量が120,000mAhでプロジェクターを起動できず、それでお値段4万円だったことを考えると、EB50のコスパは非常に優秀だと感じます。
大容量でハイパワー、コスパ優秀なEB50は、ポータブル電源入門にもおすすめの1台です!