日本一の山を登ってみたい!と憧れる人は多いですよね。
そのため富士山は「日本一高い山」であると同時に「日本一、多くの初心者が登る山」とも言われています。
しかし、初心者が多く登るからと言って、決して侮って良いわけではありません。
半袖半ズボンにサンダルのような軽装で登りに行ってしまい、救助を呼ぶほどの事態に発展した例もあるほどです。
そこで今回は、登山初心者が富士山を登る時に必要な服装や持ち物をまとめて解説します。
高性能な商品を安く揃られるおすすめ穴場ショップについても合わせて紹介しますので、富士登山に挑戦しようと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
もくじ
富士登山に必要な持ち物リスト
まずは、富士登山に必要な持ち物リストをまとめた表を見てみましょう。
初心者向け富士登山持ち物リスト絶対に必要な必須装備を◎、あった方が良い装備を◯、人によっては役立つ装備を△で分けています。
たとえばトレッキングポールも、手をついて岩場をよじ登るシーンでは、初心者ですとかえって邪魔になってしまうこともあるため△というわけですね。
富士登山に欠かせない必須装備
表でまとめた装備の中から選び方が重要な物をピックアップして、より詳しく見ていきましょう。
実際に私が商品を選ぶ時に重視したポイントもお伝えしていきます。
服装
気温は100mごとに0.6℃下がるため、富士山の山頂では真夏でも0~5℃程度までしか上がりません。
しかし、登り始める五合目付近はそこまで寒くもないので、いきなり真冬用の装備にしてしまうと暑いうえに動きにくくなってしまいます。
そこで、通気性の良い素材のインナーに上着を後から重ね着できるよう、気温や天候に合わせて調整可能な服装にしておくことが重要です。
私は日焼け対策も兼ねて長袖のアンダーウェアに半袖のTシャツを重ねた状態を基本スタイルとして、冷えてきたら上着で対応していく予定でしたが、五合目の時点でも夜間は肌寒いくらいで、早くも上着を1枚重ねることになりました。
雨具(レインウェア)
山の天候は変わりやすいので、晴れている日でも雨具を持って行きましょう。
レインウェアはウインドブレーカーとしても使えますので、私も七合目からは風が強くて冷えたのでレインウェアを羽織っていました。
スポーツタイツ
必須ではないものの、着用することをおすすめするのがスポーツタイツです。
スポーツ用に設計されたタイツは、伸縮することで膝の曲げ伸ばしをサポートし、筋肉の疲労を軽減してくれます。
気温がそこまで低くない間は、スポーツタイツにハーフパンツという動きやすさ重視のスタイルで登っていました。
日焼け防止にもなるため、穿いておいて損なしです!
登山靴
「あった方が良い」程度なスポーツタイツに対し、絶対に必要だと声を大にして伝えたいのが登山靴です。
登山用の靴には、しっかりとした専用のトレッキングシューズを選びましょう。
日常で履くようなスニーカーではソール(靴底)が柔らかく、長時間歩き続けるのには不向きですし、富士登山ルートには険しい岩場も数多く存在するため、ソールの硬い頑丈なトレッキングシューズが必須です。
さらに、くるぶし付近まで覆ってくれるハイカットと呼ばれるタイプのシューズですと、足首を捻ってしまうケガの防止にも繋がります。
私はスポーツ用品店で靴を選びましたが、ショップの担当の方からもハイカットのシューズをおすすめされました。
実際に履き比べてみると、同じメーカーの商品でもやはり高いモデルの方が、足を優しく包み込んで心地よくフィットします。
その結果、出来るだけ安く済ませたいと思っていた私でしたが、歩いている時の疲れにくさも考え、1万円台半ばのシューズを購入することにしました。
実際の富士登山でも下山時に足首を捻りそうになったシーンが何度かありましたが、ハイカットの登山靴のおかげで大事に至らず、買って良かった登山グッズとして自信を持っておすすめします!
サングラス
標高が高くなると紫外線の量も変化し、1,000mあたり約10~15%強くなると言われています。
そうした強力な紫外線や、砂埃から目を守るために、サングラスは重要です。
そのことをすっかり忘れていた私は五合目の売店で慌てて購入しました。
ヘッドライト
ご来光を拝むのを目的とするなら、必然的に暗い闇の中を登ることになります。
街灯などは当然あるはずも無く、明るいのは山小屋付近のみですので、真っ暗な登山ルートを歩いている間は、目の前を照らす明かりが必要です。
とはいえ手に持つタイプの懐中電灯は手がふさがってしまうので、登山中の使用はたいへん危険です。
そこで役立つのが頭に装着するヘッドライトです!
両手がフリーになるうえに、顔を動かしても常に視線の先を照らせるスグレモノですので、夜間に登山を行う人は必ず持っていきましょう。
予備の電池も持っておくと更に安心です。
グローブ
グローブは防寒対策としてはもちろんのこと、ゴツゴツとした岩肌や鎖を掴む際にも重宝します。
私達が登頂した富士宮ルートでは序盤から険しい山道が続いており、五合目からずっとグローブを着けて、外すことが全く無かったほどでした。
ちなみにですが頻繁に着け外しをしたい場合は、カラビナを使ってザックの外側に引っかけておくと、スムーズにアクセスできて良さそうでした。(※登山経験者のやまとさんが使っていた方法です。)
ヘルメットがあると安心
富士山の登山ルートには大小さまざまな石が落ちています。
そうした石や岩が何かのきっかけで崩れ、斜面で勢いを増しながら転がり落ちてくることは、決して珍しいことではありません。
先を進む登山客が歩いた拍子に蹴ってしまった石や崩れた足場が、下の方では恐ろしい凶器となります。
つい先日も、落石による痛ましい事故があったばかりですので、安全に登山を楽しむためにもヘルメットを着用した方が良いでしょう。
山梨県の吉田ルートから登る場合は六合目にある安全指導センターでヘルメットの無料貸出(デポジット制)を行っているので、そちらを利用するのもオススメです。
ザック(リュックサック)
ザック選びは登山中の疲労に大きく影響してきます。
たとえば大きすぎるザックですと、重心が低くなって重たく感じるので、大きすぎず小さすぎない適切なサイズ選びが大切です。
ご来光目的の富士登山でしたら30リットルほどの容量があればOKだと、ショップ店員さんが解説してくれました。
さらに、胸やお腹の前でカチッとロックをするウエストベルトがあると、背負ったザックが左右に揺れずに安定します。
疲れにくくなるのはもちろんのこと、フラつき防止となって、安全面でも効果を発揮します!
ザックカバー
雨が降ってきた時にザック内の荷物を濡らさないようにするために、ザックカバーも用意しておきましょう。
ザックカバーが付属し、専用の収納ポケットが用意されているザックもあります。
ザックに入れておきたい持ち物
ここまでは身につける装備について説明をしてきました。
それではここから、登山当日のザックに入れていく持ち物についてご紹介します。
ザックカバーを付けていても完全に水を防げるわけではありませんので、雨が降ってもザックの中身が濡れないよう、荷物を小分けにしてビニール袋に包んでからザックに入れておくことをおすすめします。
携行食
富士山の五合目から山頂まで登る際に消費するカロリーは3,000~4,000kcalとも言われています。
42.195kmを走るフルマラソンの消費カロリーが約2,500kcalですので、富士登山に必要なエネルギーがいかに大きいかが伝わるのではないでしょうか。
長時間の運動を行う際には、身体がエネルギー切れを起こさないよう、栄養補給が必須です。
チョコレートや飴など、糖質の高い行動食を持っていきましょう。
ハンガーノック(ガス欠状態)になってからですと、食べてもすぐには回復できませんので、早め早めの摂取を心がけましょう。
目安としては「30分から1時間に1回の頻度で、100~200kcalを目安に栄養補給をすると良い」とされています。
水分
長時間の運動で消費されるのはエネルギーだけではありません。
水分もどんどん失われていくため、こまめな水分補給をしましょう。
高山病予防にも水分補給は重要で、富士登山では合計で1~2リットル程度の水分を用意しておくことが推奨されています。
また、標高に比例して飲み物の値段も上がっていくものの、登山道の途中にある山小屋の売店や自販機でも飲み物は購入できます。
キリンビバレッジ キリン世界ソルティライチ300gパウチ 30個入り
『いろはす』のような潰しやすいペットボトルや、パウチタイプの飲み物ですと、飲み干した後にゴミをコンパクトにできて便利です。
ウエットティッシュ
山には水道が無いため、手を洗うことが出来ません。
貴重な飲み水で手を洗うのは少々もったいないですが、そんな時に役立つのがウエットティッシュです。
携帯酸素
標高が高くなるにつれて酸素が薄くなり、呼吸が困難になっていきます。
気休めとも言われていますが、携帯酸素缶を使用することで、精神的にも少し楽になるように感じました。
酸素缶は山小屋でも販売されていますが、山頂に近付くほど値段が上がり、九合目ではその価格なんと2,000円!
スポーツ量販店では数百円で買えるうえに、持ってみると意外と軽いため、あらかじめ買っておくことをおすすめします。
着替え
汗や雨で濡れたり汚れたりした時用の着替えを持っておくと、最後まで快適に登山を楽しめます。
Tシャツや肌着を1~2枚入れておきましょう。
ビニール袋(ゴミ袋)
登山ルートにはゴミ箱が無く、全て自分で持ち帰ることになります。
ザックの中を汚さないよう、ゴミ袋を用意しておきましょう。
また、着替えて脱いだ衣類を入れておくのにもビニール袋は役立つので、多めに持っておくと安心です。
小銭を多めに用意しておくと安心
登山ルートの道中にある山小屋にはトイレが設置されていますが、トイレの利用には1回100~200円程度のチップが必要です。(※八合目のトイレは200円でした。)
そのほか自販機で飲み物を購入する時など、小銭の出番は多いため、あらかじめ多めに用意しておきましょう。
医薬品・常備薬
転倒によるちょっとしたケガをした際に対処できるよう、消毒液や絆創膏などを用意しておきましょう。
体力の低下から体調を崩す場合もありますので、普段飲まれている常備薬があれば、合わせて持っておくと安心ですね。
医薬品や救急セットは、ジップロックなどにひとまとめに入れておくと、後で取り出しやすいです。
健康保険証
何事も無いのが一番ですが、万が一の場合に備えて健康保険証を持ち歩いておきましょう。
身分証明になりますので、コピーでもOKです。
良い装備を安く揃えるための穴場スポット
本格的な登山グッズは、やはり金額もそれなりに高いです。
ザックだけで数万円などなど、そうした価格の高さも、不十分な装備で登山に臨んでしまう人が絶えない理由の1つなのかもしれませんね。
そんな人におすすめしたい意外な穴場スポットがワークマンです。
ワークマンといえば作業服のイメージがありますが、キャンプをはじめとしたアウトドア向けの装備を安く入手できることで人気を集めています。
その中には、動きやすい防寒装備、雨にも強い大容量のリュック、頑丈なグローブなどなど、登山に最適な装備も数多く取り揃えられているのです。
そんなワークマンといえども、登山専用の靴だけは売っていませんので、スポーツ用品店やアウトドアショップで買いましょう。
装備を整えて富士登山を安全に楽しもう
装備を整えれば、初心者でも登山を安全に楽しむことが出来ます。
少しでも楽に、少しでも快適に日本一高い山を登るため、出来る限りの準備はしておきましょう!
次回の記事では、登山初心者が実際に富士登山に挑んできた様子をお届けします。
初心者の富士登山はプリンスルートで初挑戦!開通時期やマイカー規制期間も解説