国土交通省(国交省)にしっかりと許可をとって飛行したくても、申請の出し方ってわかりづらいんですよね。
調べてみても、国交相のHPは「わざとだろ……?」と思うほど難しく書いてあります。
実際に僕も、
と最初は思っていました。
しかし、やり方さえわかれば誰でも簡単にネットだけで国土交通省の認可を取得することができます!
このページでは、国土交通省へドローン飛行の許可・申請の出し方を画像付きでお伝えさせていただきます。
法律を守り、安全かつルールを守ってドローンの空撮を楽しみましょう!
もくじ
ネットで完結!ドローンを国土交通省に包括申請する4つの手順
実際に、これから紹介させていただく申請方法にて、僕は国土交通省の以下の許可を1年包括でを取りました。
もちろん、すべて自分で調べて申請をさせていただきました。
- 人口密集地区(DID地区)の飛行
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 人や物との30m未満の接近飛行

ドローンの国土交通省からの許可
今回申請に使うのは、国土交通省が運営する「DIPS」というサービスです。
申請の具体的な流れは、以下の4つの手順で行います。
- DIPSのアカウントを作成
- 機体(ドローン)情報の登録
- 操縦者(あなた)の登録
- 申請書の作成
ドローンの飛行に関するオンラインでの許可・申請の流れや必要な事前準備に関しては、以下のPDFで確認できます。
参考 ドローン情報基盤システムをはじめてご利用の方へ国土交通省なお、書類に不備があったときは再提出や再審査が必要です!
そのため、余裕をもって申請するようにしましょう。国土交通省では、フライト予定の日付よりも最低でも10日以上の余裕をもって申請することを推奨しています。
参考 許可・承認手続きについて国土交通省それでは、さっそく見ていきましょう!

1.DIPSへの登録(アカウントの開設)
まず、DIPSへアクセスします。
「はじめての方」から申請用の合うカウントを作成していきましょう。「個人」「企業・団体」とありますので、適したものを選択しましょう。
以下の画面に切り替わり、利用規約をよく読み「同意する」ボタンを押して次に進んでください。
ページが切り替わったら、申請者情報を入力して「次へ進む」をクリック。
入力した内容に不備がないかを確認して、「登録する」ボタンを押せば登録完了です。
メールボックスを確認すると、DIPSからメールが入っているはずです。ない場合、迷惑メールボックスを確認してみましょう。
「申請者ID」と書かれたものがあります。
これは後にログインで使用するIDになるため、控えておきましょう。
2.飛行申請する「機体(ドローン)情報の登録」をしよう!
ここからは、申請に使用するドローンの機体登録をしていきます。
なお、申請できるドローンは限られていて、「DIPSのホームページに掲載されているドローン」が好ましいです。
国土交通省が指定する要件を満たして申請すればいけますが、専門知識がなければ難しいと思います……。
確実かつ簡単に申請を通過させたい場合は、DIPSにほとんどの機体が登録されているDJI製のドローンを使うことをオススメ致します!
DJI制のドローンは世界トップシェアを誇り、安全性と品質は間違いありません。
ほとんどの機体が国交省が定める基準を満たしているため、申請が圧倒的に楽です。
ちなみに、僕はDJIのPHANTOM 4 PROを使用してます!
障害物センサーや自動運転機能などがあり安全性が高く、ジンバル付きのカメラは1インチのセンサーで4KでLOG撮影ができるほど高性能なのでオススメです。
お使いに置き換えてみて考えてみてください!
機体が決まったら、再度DIPSのトップページへアクセスします。
「準備が済んでいる方」にある「ログインへ」をクリックして進みます。
ここでは、「メールに記載されたID①」と「登録時に設定したパスワード②」にて「ログイン③」してください。
画面が切り替わったら、「申請に必要な情報を準備する」の項目にある「無人航空機情報の登録・変更」をクリック。
次に、「ホームページ掲載無人航空機」を選択して、申請に使用するドローンの機体登録をしていきます。
「製造者名」の赤枠で囲んだところをクリックすると、ドローン制作会社が一覧で出てきます。
今回はDJIのPHANTOM 4 PROを使用するため、「DJI①」を選択して「検索②」を押します。
すると、DJI製品の一覧が出てくるため、自分が使用している機体を探して「選択」しましょう。
すると、機体の基本情報が記載された画面に切り替わります。
「製造番号」の部分だけ未記入なので、使用する機体のものを入力してください。
ちなみに、PHANTOM 4 PROの製造番号のはバッテリーを外した本体に記載されています。
自作機や改造をしていなければ、全て「いいえ」を選択して「次へ進む」を選択しましょう。
切り替わったページに、機体が登録されていることを確認して終了です。
3.ドローンの「操縦者(あなた)の登録をしよう!
機体の登録の次は、操縦者情報の登録を行っていきます。
ログインしたDIPSのトップページに戻り、「操縦者情報の登録・変更」をクリックしてください。
ページが切り替わったら「新規作成(HP掲載団体技能認証なし)」を選択してください。
民間資格なので技能認証がなければだめというわけではなく、申請が楽になるといったイメージです。
ここでは、実際に操縦をする人の情報を赤枠部分に記入していきましょう。
次に、ドローン飛行における知識と技術があるかどうかの質問になります。
全てを確認して、問題ない場合に限り「はい」を選択していきましょう。
なお、右側にある「基準内容」と書かれた部分にマウスを乗せると、詳しい説明が出てきます。
その下を見ると、「これまでの飛行の実績について入力してください」という項目が出てきます。
ドローンは「回転翼航空機」に該当するため、こちらに飛行実績の時間を入力していきましょう。
次に、先ほど登録した機体の選択をします。「操縦者が使うドローンはどれか?」を紐づけるためですね。
「機体の選択」をクリックします。
赤枠で囲んだ場所をクリックしてしてください。
すると、先に登録した機体情報が出てきますので、「ドローンを選択①」して「機体の追加②」を押してください。
「機体が画面に表示されたことを確認①」して、「閉じる②」ボタンで戻ります。
元のページに戻っても変化はありませんが、登録されているので安心してください。
「登録する」ボタンを押しましょう。
「操縦者情報が登録されました」というページに変わったら、「OK」ボタンを押してください。
操縦者情報管理の画面に戻ったときに、登録できていることが確認できればOKです。
4.申請書の作成
準備が終わったので、ここからは申請書の作成を行っていきます。
今回は、僕が許可を得た以下の内容に関して、申請方法を見ていきましょう。
- 人口密集地区(DID地区)での飛行許可
- 人や物の距離が30m未満の近距離での飛行
- 夜間の飛行
- ドローンを目視で確認できない距離での目視外飛行
なお、期間は1年包括申請とします。
国土交通省の許可の中には1年包括申請ができない・難しいものがあるため、それらは必要になった場合に再申請する方法で考えていきました。
僕が得た許可だけでも、ほとんどのシーンで飛行させることができるからです。
シーンに合わせて、都度申請がオススメです。
それでは、手順を見ていきましょう。
まず、ログイン後のDIPSトップページにある「申請書の作成(新規)」をクリックしてください。
はじめに、「飛行の目的」から入力していきます。「(1)業務」と「(2)業務以外」でわかれているため、該当するものを選択しましょう。
なお、ブログやYouTubeなどのSNSにアップロードして広告収入を得る目的の場合、業務の申請として申請しましょう。
僕は「空撮」と「自然観測」を飛行の目的に選択しました。
続いて、航空法で禁止されている空域や場所で飛ばしたいエリアを選択していきます。
航空法で禁止されている空域や場所
- 空港周辺
- 150m以上の上空(空域)
- 人口集中地区(DID:住宅街など)
ここでは、「人口集中地区(DID:住宅街など)」のみ申請としました。空港周辺も150m以上の上空は管轄の空港事務局に許可を取る必要があるからです。
また、人口密集地域だけで通常の空撮であれば問題ありません。
1年の包括申請も取りやすいので、禁止されている場所の申請はこれだけで十分でしょう。

このとき、右にある「飛行理由②」も選択してください。
クリックすると理由を選べるので、「飛行の目的と同じ」で問題ありません。
「2」と「3」に関しては、150m以上の上空や空港周辺で飛行させる人の項目ですので、未記入でOKです。
次は、許可を取りたい飛行方法を選択していきましょう。
航空法によって禁止された飛行方法は、以下の6種類です。
- 夜間の飛行
- 人や物の距離が30m未満の近距離での飛行
- ドローンを目視で確認できない距離での目視外飛行
- イベント会場上空の飛行
- 危険物の輸送
- 物の投下
この中で、僕は
- 人や物の距離が30m未満の近距離での飛行
- 夜間の飛行
- ドローンを目視で確認できない距離での目視外飛行
のみを取得しました。
自然や町並みの空撮がほとんどだからです。
その他は必要になれば都度申請すればよいですし、ほとんどの空撮はこれらの飛行方法さえあればカバーできてしまいます。
僕と同じように、「自然や町並みの空撮を目的とする方」はこれだけで十分です。
取得したい飛行方法にチェックを入れて、同時に右側にある飛行理由も「飛行の目的と同じ」に設定しましょう。
追加基準適合入力に関しては、後で解説させていただきます。
ドローン飛行における必要な許可については、以下のコンテンツを参考にしていただけますと幸いです!

次に、今回の許可・申請の期間を選択していきます。
僕は1年を通しての飛行許可が欲しかったので、1年間の包括申請にしました。
僕と同じように1年包括で許可を取得したい場合、「3.年間を通じて飛行しますか?」という問いに対して「はい①」にチェックを入れてください。
「開始日②」には、許可を取得したい日付を選択しましょう。
「終了日③」に関しては、開始日から1年間になるので入力不要です。
「飛行する場所はどこですか?」という問いは、許可を取得する都道府県などの地域を限定するかどうかです。
僕は日本全国で取得したため、地域を限定しない方は「特定の場所・経路で飛行しない④」にチェックを入れて「次へ進む⑤」ボタンを押してください。
ページが切り替わり、「4.(1)飛行が想定される範囲はどこですか?」という問いに関しては「日本全国」を選択してください。
このとき、「飛行するための条件」を入力する必要があります。
こちらには、飛行における注意点や条件を記載しましょう。以下の例を参考にしていただけますと幸いです!
「5.申請先はどこですか?」の問いに対しては、管轄の航空局を選択してください。
右にある「申請先①」にマウスを乗せると、日本地図が出てきます。
該当する管轄を選択して、「次へ進む②」ボタンで進みましょう。
次は、「機体選択」をクリックして申請に使用するドローンを選んでいきます。
以下画像の赤枠で囲んである「全選択」と書かれた部分をクリック。
すると先ほど登録したドローンがあるので選択後、「機体を追加」ボタンを押してください。
選択された機体情報が表示されたら、このまま「追加基準」を設定していきましょう。
ここでは、「追加基準適合」を入力していきます。
許可・申請をする条件に関して、不安要素に対する安全対策を示すということです。
「2.物件に接触した際の気概を軽減する構造を有すること」については、「プロペラガードを装備して飛行させる①」を選択してください。
また、プロペラガードを有していることと、それ自体が基準に適合しているかどうかを証明するために「参照②」をクリックしてプロペラガードを装着したドローンの写真をアップロードしましょう。
次の画像のように、プロペラガードを装備した状態の写真を添付すればOKです。
ちなみに、使用したプロペラガードは以下です。
Phantom 4 Pro シリーズ – 申請用プロペラガード
プロペラガードの中でも、審査の要件に適合しないものもあるので、注意が必要です!
たとえば以下もDJI純正のプロペラガードですが、保護している範囲が狭いので申請が通らないので審査用の適合するかどうかを確認してから購入しましょう!
DJI P4 Part62 Phantom4シリーズ – プロペラガード
プロペラガードの条件について詳しく知りたい場合、以下の記事をご覧ください。

続いて、「4-1.自動操縦システムを装備し、機体に設置されたカメラ等により機体の外の様子を監視できること」という基準をクリアしていきます。
これに関しては、「メーカー指定の自動操縦システム(右に表示しているもの)及び純正のカメラを装備している。 ( DJI GS Pro アプリ )①」を選択すればOKです。
ここでも先ほど同様、「参照②」をクリックしてアプリケーションとドローンのカメラが連動していることを証明していきます。
具体的には、「ドローンのカメラで撮影している被写体」と、「その映像が画面に映し出されている様子」がそれぞれが写った写真を添付してください。
僕は以下のように、ドローンのカメラで博多人形を撮影して、その映像を画面で受信・表示している様子の画像を添付したらOKでした。
「4-2」「4-3」に関しては、DJI GS Pro アプリに対応しているドローンは未記入でOKなので、「登録する」ボタンを押してください。
元の画面に戻ったことを確認して、もう一度「登録する」ボタンをクリックしてください。
機体の次は、操縦者の選択をしていきましょう。
「操縦者選択」をクリック。
赤枠で囲んだ「全選択」と書かれた場所をクリック。
すると、先ほど登録したあなたの名前があるので、それを選択して「操縦者追加」を押してください。
操縦者情報一覧・選択画面に操縦者が表示されたことを確認して、「登録する」ボタンをクリックでオペレータ登録は終わりです。
次は、使用するマニュアルを指定します。
オリジナルのものを使用しない場合、「航空局標準マニュアルを使用」でOKです。
ちなみに、右にある「参考」にマウスを乗せると標準マニュアル1・2が表示されます。
どちらも大切な知識になるため、両方ダウンロード・印刷して穴が開くほど熟読しましょう。
以下は標準マニュアル以外を使用する方が入力する項目なので、「次へ進む」をクリックしてください。
次は、ドローンの保険に関する情報を入力しましょう。
- 加入している保険
- 対人対物の保証金額
- 緊急連絡先
加入すべき保険についてわからない場合、以下の記事にて解説しています。

最後に、許可証の受け取り方法を選択しましょう。
紙の場合は郵送の手間が出てくるため、「電子許可書」がオススメです。
その他の特記事項がなければ、「次へ進む」をクリックしてください。
これまで入力した情報に不備がないことを確認してください。
問題がない場合、「申請書の内容は間違いありませんか?①」にチェックを入れて「申請する②」ボタンをクリックしてください。
これにては、申請書の作成は終わりです! お疲れさまでした。
同時に審査が開始され、不備があればメールなどで「補正指示発行通知」が届きます。
問題がなければそのまま申請が下ります。僕の場合は、登録後3日で許可がおりました。
連絡が来るまで、気長に待ちましょう。
まとめ
ここで紹介させていただいた手順通り申請すれば、ドローンの包括申請はネットで簡単に取得できます。
ただし、ドローン飛行に関する最低限の知識と技術があることを前提です。
僕の考えとしては「どこでもドヤ顔でドローンを飛ばせるようになるから」といった理由で飛行許可や申請を取得するのは違うと思います。
最低限の技術とルールを守るための基礎知識を身につけるために必要だと考えるからです。
ドローン飛行に関して十分な知識や飛行技術がないまま許可を得ても、事故やトラブルを起こす可能性が高いです。
時として、ドローンは人や物を傷つける可能性が常にあることを覚えておきましょう。
不安な場合は、無理に許可を取得することを考えてはいけません。
まずはドローンに関する知識を身に着け、十分に練習をしてから申請するようにしましょう。
ここで紹介させていただいた内容に関して、以下の動画でも解説していますので参考にしていただけますと幸いです。
なお、ドローンに関する基礎知識として、このブログにも記事を公開しています。上から順番に見ることで知識が深まるようにしてあるので、参考にしていただきますと幸いです!



はじめまして。
分かりやすい動画とブログ記事有難うございます。
今日、実際にやってみたんですが、どうやら今は「飛行目的」が「趣味」な場合も日付指定しないといけなくなったみたいです(;´・ω・)